被害者側が未成年との性行為ビデオを裁判所へ提出、R・ケリーは性的虐待容疑で無罪を主張

10件の加重性的虐待の罪に問われているR.ケリー(Tyler LaRiviere/Chicago Sun-Times/AP)

10件の加重性的虐待の罪に問われているR.ケリーが無罪を主張しており、被告の顧問弁護士は「これは陰謀です。誰もかれも、金が目当てなのです」と話す。しかし被害者側は、ケリーと14歳の少女との性行為が映っているとみられるセックスビデオを入手し、立ち向かう。アーティスト本人の次の出廷は3月22日だ。

R.ケリーは月曜朝、起訴されている10件の加重性的虐待容疑すべてに対し、無罪を申し立てた。

シカゴの裁判所では、ローレンス・フラッド判事が審理を行った。ケリーが逮捕されたのを受けてこの週末には、2008年に彼の裁判を執り行ったヴィンセント・ゴーギャン判事が今回の裁判も担当するのではとの憶測が飛び交っていた。

ケリーはクック郡の留置所で3晩過ごした後、オレンジ色の囚人服に身を包み、4件の起訴(被害者4人それぞれ1件ずつ、このうち3人は事件当時未成年だったとみられる)による合計10件の加重性的虐待の罪状認否を行った。被告側の弁護士は、本人に代わって10件すべてに対して無罪を主張した。

フラッド判事はケリーの保釈金を100万ドルとし、保証金として10万ドルの支払いを命じた。判事はまた、保釈にあたって被告が滞納している養育費16万ドルの支払いを免除すると明言した。ケリーの次の出廷は3月22日。その前に、ケリーは子供の養育費に関する審問のため3月6日に再出廷する。

ケリーの保釈の時期はいまのところ未定。彼の弁護を担当するスティーヴン・グリーンバーグ弁護士はこの週末、ケリーの財政状況はレーベルとの契約破棄とツアー日程のキャンセルにより「燦々たる状態」だと述べた。また保釈金の条件として、ケリーのパスポートを裁判所に提出し、予定されていたドイツでのコンサートを行わない意向を明らかにした。

月曜日のケリーの罪状認否に先立ち、マイケル・アヴェナッティ弁護士は、ケリーが未成年の少女と一緒に写っている未公開のセックスビデオを当局に提出。さらにTwitterで、同じ女性と一緒に写っている別のビデオを所有していることを明らかにした。この女性は起訴状の中ではR.L.というイニシャルで表記されている。TMZはさらに、アヴェナッティ弁護士が3本目のセックスビデオを入手しようとしていると伝えた。このビデオには、別の未成年の少女との性行為が収められているもよう。この3本目のビデオについて、ローリングストーン誌ではいまだ存在を確認していない。

ケリーが無罪を主張するのは予想されていた。日曜夜、被告の顧問ドン・ラッセル氏と企業弁護士ブライアン・ニックス氏はローリングストーン誌とのインタビューに応じ、被害者の主張は「金銭目的で被告をモンスター呼ばわりする、根も葉もない主張だ」と述べた。

「これは陰謀です。誰もかれも、金が目当てなのです」と、ドン・ラッセル氏はローリングストーン誌に語った。

土曜の保釈審理後に行われた記者会見で、イリノイ州のキム・フォックス検事はケリーに対する起訴内容の詳細を明らかにした。

被害者の一人H.W.がケリーと初めて出会ったのは、レストランで16歳の誕生日を祝っていたときだった。2人は1998年5月から1999年5月までの1年間、性的関係にあったとみられる。別の16歳の被害者J.P.は、本人いわくケリーの精液が付着しているシャツを当局に提出した。この被害者は、ケリーからしばしば平手打ちされたり、首を絞められたり、唾を吐きかけられたとも主張している。

被害者L.C.は、「24歳のとき、ロバート・ケリー被告のヘアスタイリストとして働いていました」とフォックス検事。「ロバート・ケリー被告の髪を編むために、被害者が部屋で一人待っていたところ、ロバート・ケリー被告が部屋に入るなり、今日は髪を編むのはいいからヘッドマッサージをしてくれ、と言いました。と同時にパンツを下して、ペニスを指差しました。ロバート・ケリー被告は被害者の頭部をつかみ、無理やり彼女の口にむき出しのペニスを押し込もうとしましたが、被害者はなんとか抵抗しました。その後ロバート・ケリー被告は自慰をして被害者の顔に射精し、顔になんども唾を吐きかけました。そのとき被害者が着用していたシャツは、DNA鑑定のためイリノイ州警察に提出され、シャツに付着していた精液のDNAが特定されました」

フォックス検事はまた、ケリーとR.L.という14歳の少女との性行為が映っているとみられるセックスビデオについても言及。「ビデオには、被害者が何度も何度も自分は14歳だと繰り返す中、ロバート・ケリー被告が被害者の口や性器に挿入する様子が映っています」

月曜の罪状認否の後、アヴェナッティ弁護士は記者会見を開き、さらにもう1本のビデオ――やはりR.L.とケリーが映っていると思われる――を検察側に提出したと発表した。記者会見では、2本目のテープによってケリーが訴追されるかどうかについては明らかにされなかった。

保安官事務所の広報担当者によると、R.ケリーは100万ドルの保釈金を支払い、月曜午後に保釈される見込みだ。

Translated by Akiko Kato

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