リトル・シムズが語るUKラップのリアリティ「自分を女性ラッパーとは思っていない」

リトル・シムズ、昨年11月に渋谷で撮影(Photo by Hana Yamamoto)

ケンドリック・ラマーも「現行シーンで最もイルなラッパー」と太鼓判を押すノースロンドン出身の24歳、リトル・シムズがニューアルバム『GREY Area』を3月1日に発表する。サンダーキャット、リトル・ドラゴン、マイケル・キワヌーカなど多彩なゲストが参加した同作には、UKラップの最前線に立つ彼女のスキルとアティテュードが凝縮されている。このインタビューは昨年11月の来日時に実施。ラッパーとしての馴れ初めから、最新作に込めたメッセージまで語ってもらった。


ーまず、どんな音楽を聴きながら育ってきたのでしょう?

アフロビーツ、レゲエ、ヒップホップ、UKガレージ……たくさんあるわ。

ーご両親も音楽好きだった?

そうね。でも、音楽については兄の影響が大きかったと思う。家ではいつも音楽が流れていた。

ーいちばん最初に好きになった音楽は?

2000年代前半のR&Bとヒップホップ。ミッシー・エリオット、バスタ・ライムス、ジェイ・Z、ジョン・レジェンドとか。私が生まれたのが1994年だから、それより古い音楽はあんまり詳しくないの。

ーイギリスの音楽だと?

ケイノ、スケプタとか(どちらもグライム系ラッパー)。ただ正直に言うと、地元の音楽も好きなんだけど、どちらかといえばアメリカのカルチャーに入れ込んできたの。


Photo by Hana Yamamoto

ーラップを始めるようになったのは?

9歳のときね。ちょっとした文章を書いて、韻を踏んでみたりしたのが最初。私は女子校に通っていたんだけど、学校であった出来事を綴ってみたりとか。歌は決して得意ではなかったけど、ダンスや演劇もやっていたから、人前でパフォーマンスすることに興味があって。あの頃に書いていたものが今につながっているんだと思う。

ー幼い頃には、役者としてドラマに出演していたそうですね。

そう、そっちが先だった。そこから徐々に音楽へとシフトしていって。私の姉が熱心にサポートしてくれて、いろんなライヴやスタジオ・セッションにも連れて行ってくれたの。そういうのもあって、自分のなかに眠っていった音楽への情熱に気づいた感じかな。

Translated by Kazumi Someya

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