子どもをターゲットにした欧米の自殺ゲーム「Momoチャレンジ」、警察が保護者へ警告

Momoチャレンジにまつわる危険性が誇張されているとしても、子どもたちがネット上で悪人の食い物にされる危険性がないわけではない。2017年、ITライターのジェイムズ・ブリドルが書いた記事によれば、YouTubeなどのプラットフォームには、アルゴリズムを悪用して、気分を害するしばしば暴力的な動画を作成するクリエイターであふれかえっているという。こうした動画はとくに子どもたちに狙いを定め、往々にして子どもに人気のキャラクターが使われているという。明らかにYouTubeは、こうしたコンテンツの摘発に消極的だ。さらに最近では、小児性愛者がYouTubeのコメント欄にたむろして、コメントにまぎれて児童ポルノのリンクをアップしていると報道されたのを受け、YouTubeの広告件数が減少している。

すべての都市伝説がそうであるように、「サイバー犯罪がたしかに存在し、性的倒錯もたしかに存在するという意味では、(インターネット上の自殺チャレンジにも)一理あるといえます」とラドフォード氏。「これらは現実です、実際に起きているのです。保護者や学校関係者が信じるのもうなずけます」

子どもがソーシャルメディア上の不快な画像にさらされるのを案ずる保護者らは、インターネットの使用について子どもと率直に会話をするべきだ、とフォアマン博士も言う。「親御さんたちには改めて申し上げたいのですが、道の反対側からキャンディを配って回る不審者の類は、新たなメディアにも存在しています」 子どもが使うデバイスすべてに閲覧制限やフィルター機能をかけたうえで、「(子どもに向かって)『これを解除したら、おかしなものを見るかもしれない。その時はちゃんと言ってね』と伝えるべきです」と博士。

ソーシャルメディア上で不快なコンテンツを目にする危険性は確かに存在するものの、ITに長けた社会病質者が謎の秘密結社を組んで、WhatsApp経由で子供たちとつながり、自殺を促すという考えはあまりにもバカバカしく、信じるには無理がある。「よく考えてみてください、大人が子供に自分の部屋を片付けさせるのも一苦労なんですよ。ばかげた指令を50日間連続でやらせるなんて、もっと大変だと思いませんか」とラドフォード氏は言う。

結局のところ、インターネットは子供にとっては恐ろしい場所であり、親たちは恐れてしかるべきだ。身の毛もよだつ日本の鳥女の彫刻をわざわざ持ち出す必要もあるまい。

追記:YouTubeでは、Momo現象が詐欺行為だと広く認知されたのを受け、今後Momoに関する動画から一切金銭をとらない形、つまり再生前、再生中、再生後に広告を掲載しないと発表した。権威ある報道機関によるMomo現象のニュース動画も含まれる。

Translated by Akiko Kato

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