ロッキーのテーマ曲「アイ・オブ・ザ・タイガー」ベーシスト、ステファン・エリス69歳で逝去

サバイバーのベーシスト、ステファン・エリス(写真一番右) Photo by Redferns

「アイ・オブ・ザ・タイガー」「バーニング・ハート」などのヒット曲で活躍した、典型的な80年代のアリーナ・ロック・バンド、サバイバーの元ベーシスト、ステファン・エリスが69歳で亡くなった。

サバイバーのギタリスト、フランキー・サリヴァンがバンドのFacebookでエリスの死を伝えた。死因は明らかにされていない。

「エリスが亡くなったことを聞いて我々はひどくショックを受けている。ステファンは音楽のことしか頭になく、間違いなくファンにとってもバンドにとっても特別な魅力を持った男だった。私もステファンのことが大好きだった」とサリヴァンは綴った。

サバイバーは1978年に結成されたが、エリスがバンドに加入したのは80年代に入ってからであった。バンドにとって初のトップ40入りとなったヒット曲「プア・マンズ・サン」を収録した1981年のアルバム『予戒』のレコーディングのタイミングでバンドに参加した。1年後、シルヴェスター・スタローンから『ロッキー3』の曲提供の依頼を受け、その結果、バンドの代表ヒット曲「アイ・オブ・ザ・タイガー」が生まれた。

「アイ・オブ・ザ・タイガー」はビルボード・ホット100で6週連続1位を記録し、1982年の同タイトルLPはアルバム・チャート2位を獲得した。同曲はグラミー賞の「最優秀ロック・パフォーマンス賞ヴォーカル入りデュオまたはグループ部門」を受賞し、1982年のアカデミー賞「歌曲賞」にもノミネートされた。

エリスは80年代の全盛期のサバイバーでレコーディング及びライブ活動を続けた。1983年から、エリスが健康的理由で脱退を余儀なくされた1987年までにサバイバーはさらに3枚のアルバムをリリースし、「ハイ・オン・ユー」「ザ・サーチ・イズ・オーヴァー」「イズ・ディス・ラヴ」「バーニング・ハート」などの曲で次々とトップ10入りを果たした。「バーニング・ハート」は『ロッキー4』の主題歌として使用され、最高順位2位を記録、バンドにとっても2番目のヒット曲となった。



サリヴァンは投稿の中で、その当時のエリスとのレコーディングの思い出を、特に「キープ・イット・ライト・ヒア」に関して次のように語っている。「イントロのベースラインがミックスの中にうまく溶け込んでいて、ベースのパートに影響されて私のギターはもっとハイにいかなければいけないと思ったんだ。私たちは一緒にレコーディングし、スタジオで生活した。ステファンがあの青いベースのネックをさばく姿は曲そのものと同じぐらい忘れられないものだ」

「アイ・オブ・ザ・タイガー」を歌ったサバイバーの元ヴォーカル、デイヴ・ビックラーはTwitterに「ステファン・エリスが亡くなったという悲しい知らせを受けたところだ。最高のミュージシャン、最高のバンドメンバーだ。唯一無二のな」と投稿している。

脱退後、エリスとサバイバーの元ドラマー、マーク・ドラウベイはギタリスト、ロッド・マックルーアと共にクラブM.E.D.というバンドを結成し、1990年にアルバム『サンプラー』をリリースしている。90年代中頃にエリスとドラウベイはサバイバーに再加入するもエリスは1999年に再び脱退した。それ以降の20年ほどの間にエリスはサバイバーで数回ライブを行ったが、それ以外では他のプロジェクトで忙しくしていた。AllMusicによると、彼はデヴィッド・グレン・アイズレーの2000年のアルバム『ストレンジャー・フロム・ザ・パスト』でベースをプレイし、またイギリス人シンガーのサマンサ・フォックスの2005年のLP『エンジェル・ウィズ・アン・アティチュード』のプロデュースもしている。

Translated by Takayuki Matsumoto

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