物議を醸している新作ドキュメンタリー、家族が語るマイケル・ジャクソンの真実

ジャクソン兄弟の誰一人としてマイケル・ジャクソン・エステートから直接的な恩恵を一切受けていない。同エステートはマイケル・ジャクソンの財産を管理し、近年は大繁盛している。マイケルの死後、同エステートはインフレ調整後に210億ドル(約2兆3000億円)の利益を上げているとフォーブス誌が報じた。ラスベガスで公開中のシルク・ド・ソレイユのショー『Michael Jackson: One(原題)』は今年で6年目となり、ミュージカル『Don’t Stop ‘Til You Get Enough』が2020年にブロードウェイで幕開けする予定になっている。さらに同エステートはHBOを相手取って損害賠償1000万ドル(約1億1000万円)の訴訟を起こした。

だが2月にサンダンス映画祭で初公開されたこのドキュメンタリーは、マイケルの光輝くレガシーを曇らせ、死してなお人気が衰えない現在の勢いに影を落とす可能性がある。2013年に人気振付師のロブソンが最初の裁判を起こしたのは、ラスベガスのシルク・ド・ソレイユのショーで不採用が決まったあとだったと、ジャクソンの家族が指摘した。また、ロブソンもセーフチェックも、一度もマイケルから虐待を受けていないと過去に証言している。

マイケルにとって最も力強い擁護者は甥のタージ・ジャクソン(45歳)だろう。ティトの息子のタージは、彼自身も子どもの頃に(母方の叔父からの)性的虐待を受け、そのトラウマに打ち勝った過去を持つ。ローリングストーン誌のインタビューではタージも叔父たちに合流して話をしてくれた。

原告と同世代のタージは、子どもの頃に何度もネバーランドでお泊り会を楽しんだと言い、ロブソンのこともよく知っていると話した。ジャクソンズの他の叔父たちと同様に、タージ自身もマイケルに対する告訴を信じられないと言う。そして、他界してしまったマイケルに代わって、彼の名声と評判を守るのは家族の役割だ、と述べた。「僕たちはユニットなんだよ。こんなふうに嘘が広まったときには、みんなで力を合わせて防衛するのさ。だって僕たちは真実を知っているのだから」とタージが述べた。

―このドキュメンタリーについて話そうと思った理由は何ですか?

マーロン:もう他界してしまった弟の名前を汚そうとする輩が出現したら、誰でも弟を守ろうとするよね? あれはマイケルじゃない。彼はあんな人間じゃない。私たちは弟のことをよく知っているし、あのドキュメンタリーは偏っているし、あのドキュメンタリーが描いていることを裏付ける事実は一切ない。

―家族の中ですでにドキュメンタリーを見た人はいますか?

マーロン:見たいとすら思わないね。見る価値などないものだから。

タージ:脚本は読んだよ。僕は見たい。放送前に見たかったんだけど、彼らは絶対に見せてくれなかった。どんなことかを知っているから、僕はその話題について自由に発言できると思っている。だって僕の世代の話だから。ウェイド・ロブソンはよく知っている男だしね。

―このドキュメンタリーが製作されていたことは知っていましたか?

マーロン:いいや、知らなかった。

ジャッキー:2〜3週間前にオーストラリアにいたときに聞いた。私は兄弟たちと一緒にツアー中で、マネージャーが私たちに「君たちの兄弟に関する番組が放送される。好意的な内容ではないようだ」と教えてくれた。だから私は「ほら、まただ」と言ったよ。その話を聞いたときにこのドキュメンタリーが気がかりになったし、ここで取材を受けているのも弟を助けたいからだよ。

―ネバーランドには頻繁に行っていたのですか?

タージ:僕はよく行っていたよ。たぶんトータルで200回を超えている。

―他の方々もあそこで過ごすことは多かったのですか?

マーロン:私たちは成人していて、子どもたちがいる。やらなければいけないことがあるから、マイケルを追いかけ回すことはしなかったよ。

ジャッキー:あそこにはけっこう行っていたね。

マーロン:つまり、ネバーランドには行っていたけど、ネバーランドに滞在することはなかったっていうことだよ。

Translated by Miki Nakayama

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