追悼:ルーク・ペリー、生涯を代表する役柄「ディラン・マッケイ」の魅力

彼はシャノン・ドハーティとのファーストキスで、その地位を確固たるものにした。彼女は『ヘザース』や『ハイスクールはダンステリア』で当時すでにスターだった。「めちゃくちゃ大変だった」と、ローリングストーン誌とのインタビューに答えていった。「相当イライラしてた。自分にとっては初めてのドラマ出演だったから、すごく緊張してた。銃でも突き付けられている気分だったよ」 だが、彼はなんとかやり通した。「ロングコートを着てたんだが、心の準備が整うまで、コートを頭からかぶって道端に座り込んでいた。カメラの外では、イカれ野郎みたいにシャノンに向かってわめいていた。そういうふうにして、感情を高めていった。泣き叫んでたよ」 共演者について尋ねられたドハーティはこういった「そうね、ひとつ確実に言えるのは、ルークは豚と寝てるってこと」 彼女が言う豚とは、彼が飼っていたペットの豚ジェリー・リーのこと。ペリーはこの動物に相当入れ込んでいた――本人曰く、「ジェリー・リーは、俺の人生にとってヨーダのような存在なんだ」

携帯電話ひとつでファンが大勢押し寄せることのない時代に、彼はティーンのアイドルになった。ファンはショッピングモールを占拠し、モールは大混乱となった。Foxの重役が言うには、これで番組のヒットを確信したという。「視聴率じゃない。おっかけなんだよ」 ペリーがフロリダのショッピングモールでサイン会を行った際、詰めかけたファンで会場は戦場と化した。緊急医療サービスの隊員はこういう。「この若い青年が何者かは知らなかったけど、挨拶したくなったよ」 これ以上の誉め言葉があるだろうか? 17歳の少女は地元の新聞にこう語っている。「彼はすごく素敵な人。ハンサムなのに、感情を表に出すのを恐れない。世界中の男性が彼みたいだったら、世の中完璧なのにな」

ルークが得意とするのは、女性キャラクターが主役の物語に出てくる男性役。だからこそ、彼はオリジナル版の『バッフィ/ザ・バンパイア・キラー』でも完璧だったのだ(彼はウィッグ姿で、『ビバヒル』当時のおなじみのヘアスタイルで登場。ハリウッド流のジョークだ)。『エイト・セカンズ/伝説の8秒』ではポール・ニューマンのような存在感を放っていた。新生ルーク・ペリーの出演作だったから見に行ったのだが、個人的にはロデオ騎手の映画を見ることはもうないだろう……『John from Cincinnati(原題)』ではサーファーを演じ、『フィフス・エレメント』では学者役。だがディランこそが、生涯を代表する役柄だ。『ビバヒル』の中でディランも言っているように、「ガキ大将が必ず成功できるとは思っていない。もちろん、自分がガキ大将の場合は別だけどね」 イカれてて、ワルで、忘れがたき男だ。

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