ニルヴァーナ、本当のラストライブを回想

(Photo by Raffaella Cavalieri/Redferns/Getty Images)

1994年3月1日、ドイツのミュンヘンでカート・コバーンが人前で披露した最後の曲「ハート・シェイプト・ボックス」を回想する。

アンプラグド・ライブがニルヴァーナの最後のライブのように紹介されることが多いが、実際はその1993年11月18日のMTVの(アンプラグド・ライブの)撮影の後、1ヶ月のアメリカツアーを行い、さらに翌2月にはヨーロッパに向かった。チェリストのメロラ・クリーガーが前年のロリ・ゴールドストンに変わりこのツアーに参加し、デイヴ・グロールが担当していたコーラスをサポート・ギタリストのパット・スメアが引き継ぐこととなった。

ライブであれこれやることはこの頃のカート・コバーンにとって最も重要なことではなかった。夫婦関係の悪化が広く報道される中、コートニー・ラヴはこのツアーのためにヨーロッパに来ることはなく2人は結婚2周年の記念日を別の大陸で過ごした。カートはツアーが進むにつれて病人のようにどんどん顔色が悪くなり、間もなく声が出なくなってしまった。医者から気管支炎および咽頭炎と診断され長期休養を強く勧められたがカートは耳を貸さずツアーを続けた。



Translated by Takayuki Matsumoto

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