追悼ルーク・ペリー『ビバリーヒルズ高校白書』92年の出演者インタビューを回想

こうしてビバヒルのストーリーはブレンダがデートレイプ犯を追跡したり、乳房にしこりを感じたり、あるいは同じくらい悲惨な週の出来事や(Mad誌はパロディ作品を『ビバリーヒルズ911』と命名した)、運転免許を取得しようとしたブレンダのとんでもないジンクスなど、バラエティ豊かな内容となった。それでいて、ビバヒルのストーリーには一貫した平等さとメロドラマ性があった。それは、強い絆で結ばれた少数のライターたちのおかげだった。実際、脚本のほとんどはロージン氏、妻のカレン氏、そしてスター氏が担当していたのだ。

1991年に放送されたシーズン1のエピソード、『恋の始まり』の脚本を手がけたのはカレン・ロージン氏だった。「重要なエピソードだ」とチャールズ・ロージン氏は言った。「なぜなら、ここで私たちがどのようにして性の問題を取り扱うかが明確になったから」。さらに、このエピソードは事実上初めて未来のスター、ルーク・ペリーにスポットを当てたものでもあった。

「パイロット版がオンエアされた後、誰かしらちょっと危ない奴、少しあやうい奴がいたほうがいいと思ってディランというキャラクターを思いついた」とアーロン・スペリング氏は言った。スター氏はこのように振り返った。「ルーク(ペリー)がオーディション会場に足を踏み入れた瞬間『すごいぞ、アイツは何者だ?』って思った。俺にはジェームズ・ディーンに見えた。もちろん、意図して真似ていたわけではないだろうけど。ルークはそれほど自然体だった」

ビバヒルのオーディションはオハイオ州フレデリックタウンで育ったペリーが苦労して勝ち取ったチャンスでもあった。ペリーはこの小さな町をある時は偏屈な白人労働者の田舎町、別の時は田舎風の楽園と表現した。「どっちも本当のことさ」とペリーは言った。「あの町から出たくてたまらなかった。でも、今でも役に立つような多くのことを教えてくれた場所でもあるんだ。フレデリックタウンで使えそうなことはハリウッドでは学ばなかったけどね」。12歳の頃、ペリーは自分の夢が俳優になることだと気づいた。しかし、実際にレッスンなどを受けるようになったのは高校を卒業してロサンゼルスに引っ越してからだ。ペリーはニューヨークでも訓練を続け、そこで俳優としての初仕事を手に入れた。『Loving』のネッド・ベイツ役や『Another World』のケニー役など、昼のメロドラマがそうだった。

怒鳴り合いの喧嘩の後のディランとブレンダのファーストキスは、ペリーにとって炎のような洗礼だった。「すごく大変だった」とペリーは言った。「バカみたいにイライラしてた。俺にとって初めてのデカイ仕事だったから、本当にナーバスになってた。銃を突きつけられてるような気分だったよ。ちょうどロングコートを着てたから、道端にしゃがみこんで準備ができるまでずっとコートを頭から被ってた。心の準備ができるまで、カメラが回っていない場所ではシャナンに向かって怒鳴り散らしてた。泣いたり叫んだりした挙句キューまで間違えた。でもなんとか踏ん張ってたんだ」

大事なキスの後、ブレンダはケリーに「次はどうしたらいいの? 押さえつけられたりするのかしら?」と相談した。そんなブレンダにケリーは「そうよ、できればマットレスに」と答えた。その後、ケリーは「ルール1:男には頼らない」に従ってブレンダにコンドームを持ち歩くことを勧める。さらにブレンダは父親に「私がコソコソ隠れて何かしてるほうがいいの? それとも私のことを信じて見守ってくれるの?」と詰め寄る。最後にヘテロセクシャルのゲスト講師がウエスト・ビバリーヒルズ高校を訪れ、AIDS感染者としての実情を語ると、以前コンドームを使用せずにセックスした経験があるディランは、心配するブレンダに検査を受けることを約束した。

Translated by Shoko Natori

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