Facebook、リベンジポルノ完全根絶を発表

リベンジポルノ撲滅について新しい対策を発表したFacebook(Photo by Karen Bleier/AFP/Getty Images)

Facebookが、リベンジポルノ撲滅に新たな対策を講じると発表したが、一体どうやってするつもりなのだろうか。

同意のないポルノコンテンツ、別名「リベンジポルノ」の現象はかなり広域に広がっている。よれば、リベンジポルノを受けた被害者の80~93%が、自分の全裸の画像や動画が勝手に投稿された後、妄想や怒り、屈辱感に苛まれていると回答している。また別の調査では、リベンジポルノの被害者の51%が自殺を考えたことがあると答えた。

同意なきポルノコンテンツが及ぼす効果の甚大さを考えれば、大手ソーシャルネットワークらがこの問題に対処すべく、相当額の資金投入を検討しているのも当然だ。先週、Facebookは同意なきポルノコンテンツ対策として、新規ツールの導入を発表した。簡単にいえば、投稿された画像が被写体の完全同意を得ているかどうか、AIが判断するというツールだ。問題は、果たしてきちんと機能するかどうかわからないという点だ。

Facebookの安全対策チームの責任者、アンティゴーヌ・デイヴィス氏はブログで、このソフトウェアは「FacebookやInstagram上に許可なくシェアされているヌード画像や動画を事前に検知するものだ」と述べた。被写体が通報する前に、Facebook側がコンテンツを特定することが目的であり、「被害者はしばしば報復を恐れて自分からコンテンツを通報したがらない、あるいはコンテンツがシェアされていることに気づかない」ため、こうした方法は有効だとデイヴィス氏は書いている。画像はその後、Facebookの(生身の人間の)メンバーが検証し、掲載の際に被写体の同意があったかどうかを判断する。もし同意がないと判断されれば画像は撤去され、投稿者のアカウントは無効となる。

当然ながら、疑問はいくつもわいてくる。主な疑問はこうだ。「人間の男性の大多数が、同意の本質を理解できずにいるのに、果たして機械に、ポルノ画像が被写体の許可のもとシェアされているかどうか判断できるのだろうか?」 ブログの投稿では詳細は発表されていないが、Facebookはギズモードに宛てた声明文の中で、ソフトウェアは「リベンジポルノに関して学習しているので、どの投稿が該当するか正しく理解できる」と述べている。CNBCも、画像にはアップロードした人間が相手を辱める、または復讐する目的であることを示唆する誹謗中傷のメッセージが添えられているため、ソフトウェアが同意なきポルノ画像を認識することは可能だという見解を示している。だが、Facebook上の画像にどんな意図が隠されているのか、最先端のソフトウェアが見定められる世界など想像できるだろうか?ましてや、「攻撃的」「非攻撃的」コンテンツの判断に関するFacebookの過去の実績を考えると、こうした曖昧な基準が裏目に出ることは容易に想像がつく(弊誌ではFacebookに詳細な説明を要請中。回答があり次第、報告する)。

Facebookは対リベンジポルノ・ソフトウェアの発表に加え、2017年に試験導入した対策案を拡大展開するとも発表した。つまり、ユーザーが予防策として画像を事前にFacebookに送信することで、他人がその画像を公にシェアするのを防ごうというものだ(2017年の発表当時の対策案は、ほうぼうからブーイングを受けた。Facebookは女性たちにヌード画像を自分たちに送ってくれと言っているようなものだ、と大勢から槍玉に挙げられた)。

安心材料としては、デイヴィス氏も投稿の中で述べているように、同社はCyber Civil Rights Initiativeといったリベンジポルノの被害者支援団体と組んで、Not Without My Content(私の同意なしでは認めない)という被害者向けのサポートネットワークを立ち上げる予定だ。この取り組みにより、被害者は自分の同意なしに画像がシェアされた場合に気軽に通報できるうえ、ネット上からコンテンツを削除するよう要請する術が得られることになる。ということで明らかに、Facebookの意図は正しい方向へ向いているようだ――問題は、こうした取り組みをどのように実行するかにかかっている。

Translated by Akiko Kato

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