ザ・ローリング・ストーンズ展、当時のアパート再現にキース「わお、家に帰ってきたよ」

ストーンズの歴史を要約したビデオで始まり、その直後には再現された彼らのお粗末なアパートへと移るが『Exhibitionism』は時代順ではなくテーマ別にバンドの芸術性を展示している。コーナーの1つではメンバーの人間性や私物に焦点が置かれ、リチャーズのミニチュアサイズの日記やハーモニーのビンテージ・ギター、ワッツの初期のドラムセットや「悪魔を憐れむ歌」で使ったパーカッション、ブライアン・ジョーンズのダルシマー、彼らが活動初期頃に手書きで回答したファン雑誌のアンケートなどが公開されている(ジョーンズ以外のメンバーは「好きなもの」に「女の子」と答えていたり、ジャガーとリチャーズが「好きなシンガー」に共にチャック・ベリーとジミー・リードと答えているのは興味深い)。

別のコーナーではバンドの楽器と歌詞に焦点を当てている。ジャガーの10点のハーモニカが、ハーモニカの練習でたまるストレスに関する彼のおもしろいコメントと共に展示されている。リチャーズが「悪魔を憐れむ歌」で使った(そして演奏中に壊した)1972年製のフェンダー・テレキャスターや、かの有名な1967年の麻薬捜査の後、刑務所に行くのを待つ中、アシッドをキメながらペイントしたレス・ポールも展示されている。ロン・ウッドのギターも数点公開される予定であるが、彼が最近のツアーで使っていたので運営はローリングストーン誌のプレ・オープン・イベント時に到着するのを待っている。

2階では、デザイナーのジョン・パッシェによるバンドの唇ロゴのオリジナルデザインや、『GRRR!~グレイテスト・ヒッツ1962-2012』の巨大なゴリラの絵を描いたシェパード・フェアリーとウォルトン・フォードのオリジナル作品など、ストーンズのアートワークが中心となっている。



バンドのアルバムのジャケットがどのようにできたかを見ることができるコーナーはこの企画展の特におもしろい点の1つである。『女たち』のアートワークが影響を受けた雑誌エボニーの1978年のウィッグの広告がそのレコードのダイカット・スリーブの校正刷りと並んでいる。アンディ・ウォーホルの男性の胴体のポラロイド写真は『スティッキー・フィンガー』の横で“膨れ上がって”いる。『ラヴ・ユー・ライヴ』のウォーホルの写真と校正刷りも展示されている。また『メイン・ストリートのならず者』のコラージュの元の写真やジャガーとワッツが共作した戦闘機のデザインのツアー用アートのコンセプトスケッチも展示されている。

別の部屋では、今までに出た数々のストーンズのドキュメンタリーやライブ映画をマーティン・スコセッシが語り、そしてこき下ろす新作映画がフィーチャーされている。

Translated by Takayuki Matsumoto

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