ガンズ・アンド・ローゼズ、再結成ツアー初日のライブを回想

2019年にライブ出演が決定したガンズ・アンド・ローゼズ

ガンズ・アンド・ローゼズが、2019年に少なくとも1回はライブを開催することが明らかになった。これを記念して、3年前にはじまった再結成ツアーを振り返る。

米現地時間4月4日の朝、ガンズ・アンド・ローゼズが今年の9月末に米ケンタッキー州ルイビルで開催されるラウダー・ザン・ライフ・フェスティバルに出演する、というニュースが飛び込んできた。このニュースは、ガンズのナット・イン・ディス・ライフタイム・ツアーが2018年12月のハワイ州アロハスタジアムで終幕を迎えたわけではなく、ただの長めのブレイクに入っていた証拠だ。その他のツアー日程は公表されていないものの、たったひとつのフェスのためだけにわざわざガンズの機材を準備する可能性は低そうだ。

再結成ツアーは2016年4月1日、ロサンゼルスのナイトクラブ、トルバドゥールでのサプライズ公演からスタートした。アクセル・ローズが23年振りにスラッシュと同じステージに立つということで、チケットは争奪戦となった。チケットは旧タワーレコードビルで配布され、殺到した人々のうち、ラッキーな一握りのファンだけがチケットを手に入れることができた。でも、それ以外にライブに参加する方法はあった。それは、トップクラスの有名人であること。レニー・クラヴィッツ、クリス・ブラウン、ブラッドリー・クーパー、ニコラス・ケイジ、ケイト・ハドソン、ジム・キャリー、エミリー・ラタコウスキー、ミシェル・ロドリゲスなどの面々が狭いバルコニー席に押し寄せた。この中にチケットを求めて並んだ人はいないだろう。

会場ではカメラや録音機器の持ち込みは厳しく禁止されていた。洞窟調査や、暗視ゴーグルをつけた海兵隊や牛追い棒を使った操作並みに徹底したチェックが実施されたとはいえ、その日の夜にライブ映像がYouTubeに投稿されないわけがない。ここでは、バルコニー席から撮影された「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」のほぼ全曲と「イッツ・ソー・イージー」の「パラダイス・シティ」一部の動画を紹介しよう。

何曲か演奏したところでアクセル・ローズはステージ上で滑り、左足を骨折した。でも、アドレナリンと限りなく強い意志の力のおかげでアクセルはその日のセットリストをすべてこなした。その後、数日間のうちに完治させようとアクセルは手術を受けた。タイミングは最悪だった。なぜならバンドはその翌週ラスベガスでの2公演とその翌々週のコーチェラ・フェスティバルへの参加が決まっていたから。いよいよここから! というところで終わってしまったような雰囲気がただようなか、アクセルは決してくじけなかった。だってアクセルには2015年に足を骨折したフー・ファイターズのデイヴ・グロールから拝借した“玉座”と、のちに最も有名なギグスのひとつとなるライヴを終始座ったままこなす強さがあったから。

ツアーが再開した6月にはアクセルの足も完治し、その後2年半にわたって開催されたツアーは大きな事故もなく6大陸で159公演を終えた。思いつく限りのメジャーな市場を網羅したにも関わらず、ツアーは2019年も続きそうだ。バンドが唯一訪れていないのがアリーナのある北米の小都市、オハイオ州デイトンやバージニア州ロアノークなどだ。地元にガンズが来るとなると、ファンは大喜びするに違いない。あるいは、すでにツアーでまわった場所を再訪したとしても、チケットはバカ売れ必須だ。数え切れないほどのヒット曲を持つガンズ・アンド・ローゼズのようなバンドがライブで稼げる金額に上限なんてないのだから。



Translated by Miki Nakayama

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