億万長者ジャック・ドーシーが選んだ断食ダイエット「インターミッテント・ファスティング」の実態

皮肉なことに、減量したいのならインターミッテント・ファスティングは効果が薄いことが分かっている。「食事制限をするとたいていの場合」、絶食サイクルが終わったとたんに「リバウンドを起こす可能性があります」とカバス氏。言い換えれば、1日中ほとんどカロリーを摂取しなくても、絶食を終えて甘いものや美味しいものを口にしたのでは、せっかくの節制も結局は逆効果になる。

つまるところ、実際にはインターミッティング・ファスティングが減量に効果的だという確たる証拠はない。それどころか、多くの人々の健康に特定の効果をもたらすかどうかも分からない。全身性エリテマトーデスのような自己免疫障害の症状の軽減が見られたという動物実験もいくつかあるが、人間を対象とした臨床実験は皆無に近い。インターミッテント・ファスティングで短期間の減量に成功した人もいるが、非常に制限された食事計画なので、大多数の人が長期的に続けるのは「単純に無理」だろう。「『インターミッテント・ファスティングを始めたいのよね』と言う人がいたら、私なら『あなたのライフスタイルに合った、もっと続けやすいものがあるわよ』と言いますね」とフェラー氏は言う。

医療関係者の管理下や、信頼できる人(シェフや栄養士など)がバランスの取れた食事のプランを立てたうえでインターミッティング・ファスティングをするのでない限り、1日に必要な栄養素を摂取することはできないだろう、とフェラー氏は付け加えた。たとえばドーシーのように1日1食に制限した場合、その1食で「1日に必要なビタミン、ミネラル、脂質、炭水化物を完璧に摂取しなくてはなりません。ですが多くの人々の場合、ビタミンやミネラルが不足するのではないかと思います」。他に考えられる副作用として、日々の食事に食物繊維が不足するため、便秘がちになるとも述べた。

Translated by Akiko Kato

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