億万長者ジャック・ドーシーが選んだ断食ダイエット「インターミッテント・ファスティング」の実態

Twitterの共同創業者、ジャック・ドーシー氏(Photo by Burhaan Kinu/Hindustan Times/REX Shutterstoc)

セレブを中心に流行中のインターミッテント・ファスティング(断続的な断食)。その盛り上がりはシリコンバレーにも飛び火し、Twitter社の共同創業者にしてCEOのジャック・ドーシー氏も実践しているという。

9日、CNBCの広告記事に掲載された内容によると、ドーシー氏は朝6時30分から9時30分までの間にたった1食しか食べないというのだ。メニューはいつも「魚、鶏肉またはステーキに、サラダとほうれん草、アスパラガスまたは芽キャベツ。そのあとミックスベリーのデザートを少々」。ドーシーはCNBCの取材に対し、1日1食しか食べないことで「集中力が増すんだ……これが活力源となって、とことん集中できるんだよ」と語った。

インターミッテント・ファスティングは、5:2ダイエットや(週2日は500~600カロリー、ほかの5日間は普段通りの食事をする)、8:16時間ダイエット(朝食を抜いて、そのあと8時間おきに食事をとり、16時間断食する)など、幅広いダイエット方法を網羅している。テリー・クルーズやヒュー・ジャックマンといったセレブたちも支持しているので、減量法としてはおそらくもっとも知られているだろう。また健康系のWEBサイトには、初挑戦した人々の体験談やビフォー・アフターの写真が山のようにあがっている。

インターミッテント・ファスティングはシリコンバレーのCEOなどの間で高い人気を誇る。彼らの多くはヘトヘトになるまで仕事をして、さらに生産性を上げるべく、脳を活性化させる最新サプリやダイエット法、健康法などを常に探し求めている。IT系の人々の多くは食事制限や断食に加え、最大限のパフォーマンスを発揮できるようにとブドウ糖やケトン体の値を綿密に記録する。こうした風潮はしばしば「バイオハッキング」と呼ばれている。もっとも、批判的な人々が指摘しているように、そうした行動は時に摂食障害の前兆でもある。



・キャロライン・モス(Twitterより)
ジャック・ドーシーは深刻な摂食障害を抱えているみたいだわ。1日5マイルをウォーキングして、平日は1日1食だけ、週末は全く食べないなんて、健康法どころか……病気だわ。



・ギャヴィア・ベイカー・ホワイトロー(Twitterより)
Twitterのジャック・ドーシーCEOがインタビューで、健康のための日課を公。自分では摂食障害だと気づかないシリコンバレー連中のアホな例がまたひとつ増えた。平日は低糖質の食事を1日1食、週末はまったく食べないんだとさ。

ケトダイエット(高脂肪・低糖質のダイエット)やパレオダイエット(石器時代の食生活を取り入れ、肉をメインに食べるダイエット)と同様、インターミッテント・ファスティングもかなり食事を制限しているが、食事制限をきっかけに、摂食障害を起こす場合もあるという。摂食障害の専門家である認定ソーシャルワーカーのミシェル・カバス氏は、「摂食障害の大きな一面は、食事をコントロールするという点にあります。何よりインターミッテント・ファスティングは、そうしたコントロールの感覚を引き起こしかねません」

こうしたコントロールへの渇望が、シリコンバレーの「バイオハッキング」がはびこる土壌を作り上げ、さらにインターミッテント・ファスティングのような一時的なダイエットブームが、健康かどうかを問わず、人々の話題の最前線にのぼったのだ。「アメリカでは、誰もがいろいろな形で食に関する障害を抱えているので……仮に『ねえ、これは制限したほうがいいわよ、あれも控えてね』と言うと、相手は『食べちゃだめなんだ』と受け止めるのです」と言うのは、理学修士、管理栄養士、認定臨床栄養士のマヤ・フェラー氏。現在はブルックリンで栄養士として活動している。「すると、『食べては絶食、食べては絶食』という食事パターンにおちいります。多くの場合、決して健康的とは言えません」

Translated by Akiko Kato

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