『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章を迎える前に知っておくべきこと

<悪人たち>

前章の最終話を覚えているだろうか? 夜の王によって復活したドラゴンが壁を壊し、見渡す限りの亡者の大軍がひたすら人類滅亡を目指してがれきの中を進んでゆく場面を..... 当然覚えているだろう。我らが友は(彼らの敵も)、まさかあんな状況に置かれることになるとは夢にも思っていなかっただろう。

あんな凍てつく嵐雲の中では望めそうもないが、かすかながらも希望の光は差し込んでいる。第一に、夜の王の軍勢は、数章前に彼らの獲物の野人が試みたように壁の中心部――とりわけ黒の城――を吹き飛ばしてはいないということだ。むしろこのおかげで大陸の向こう側、「海を望む東の物見城」として知られる砦へ通じる抜け穴ができた。これでウィンターフェルはしばらくの間、準備のための時間稼ぎができるはずだ。

だが、壁が陥落した時に砦に陣取っていた、野人の指導者“巨人殺し”のトアマンドと、何度も蘇生を繰り返す光の王の兵士ベリック・ドンダリオンにとっては好ましくない展開だ。黒い城に取り残された“ドロラス”・エッド・トレット率いる冥夜の守り人たちにしても同じこと。なにしろ、自分たちが阻止するはずの侵略に取り残されてしまうのだから。だがいまのところ、誰一人として炎に焼かれたり、化け物に食われたり、氷になったり、亡者になったり、さもなくば殺されるシーンは見ていない。ほら、知らせがないのはいい知らせ、と言うではないか!(少なくともこの物語では)



Translated by Akiko Kato

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