フランク・オーシャン、ついにメディアへ思いを吐露「音楽業界の大企業なんてクソ」

Angela Weiss/AFP/Getty Images

メディアへの露出を好まないことで有名なフランク・オーシャンが、ついにインタビューに乗り出しその思いを吐露。自らの作品を商品として扱われてしまう事実から、アーティストはどのようにして自分の身を守るのかを説いた。

フランク・オーシャンの音楽業界への見解は、シェイクスピアばりのスケール感と、複雑さを併せ持っている。彼にインタビューを行うことができるチャンスは、そうそう無い。だからその誰もその内容を予想することができないし、簡潔過ぎたり、控え目過ぎたりして、あまり真意が見えてこない。だが彼は常に、音楽業界に対する、荒々しいまでの憎しみを持ち続けているようだ。ゲイレター誌の特集で、フランクは、業界に自らが侵害されていく事に対して、どのようにして身を守っていけば良いかを、抽象的な表現を用いて語っている。

オーシャンは、「大企業なんてクソ食らえだ。あいつらに従えば、きっと……大切な物を残酷な形で奪われてしまう」と語る。

「純粋さについてはよくわからない。自分が欲しいものによって、形が変わるんじゃないかな」

「音楽業界でのキャリアについて色んな人たちと話してきたけど、彼らが持っている成功のイメージは、どこか懐古的なんだよ。成功という言葉のあやと 、何年も持ち続けてきた古めかしい成功の形をまだ追い求めてる。それって、犠牲者を生み出すだけだよ。人はその成功を現実にしようと、俺たちを操るんだから。で、ある日、自分は誰かの成功の型にハメられただけだ、と気付いて、幻滅するんだ」

オーシャンとデフ・ジャムの関係は確証されている。トリッキー・スチュワートはこの若いR&Bシンガーとレーベルの契約に一役買って出たが、2016年、ザ・フェーダー誌に「あれは最悪だった」と振り返っており、「レーベルはこの契約を大切に思っていなかった」とも語っている。

『エンドレス』をリリースした後、オーシャンはデフ・ジャムを離れ、自分のマスターを買い戻し『ブロンド』をインディーズでリリース。まだ、彼の中でわだかまりは解けていないのだろう。


Translated by Leyna Shibuya

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