ウィキリークス創設者・ジュリアン・アサンジ逮捕、性的暴行から共謀罪まで容疑の全てを解説

警察の護衛を伴いウェストミンスター治安判事裁判所に到着するウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジ。ここで彼に身柄引き渡し令が要求された(Rob Pinney/LNP/REX/Shutterstock)

2010年、米国防総省のネットワークに侵入し、大量の機密文書を世に公表し、「報道の自由」を謳う時代の寵児となったウィキリークス創設者・ジュリアン・アサンジ。先日、4月11日付けで在英エクアドル大使館に身を寄せていたアサンジが逮捕された。今一度、性的暴行捜査から共謀罪まで、ウィキリークスの創設者の容疑の内訳を解説する。

先日4月11日、エクアドル政府はジュリアン・アサンジの政治的亡命を撤回し、このウィキリークス創設者のイギリスでの逮捕と、アメリカへの身柄引き渡しへの道を開いた。アサンジは2012年6月以来、ロンドンのエクアドル大使館に住んでいた。エクアドルのレニン・モレノ大統領はTwitterで、ウィキリークスを通して行われたアサンジの「侮辱的で攻撃的な」行動や「敵対的で脅迫的な」宣言、また「国際条約の侵害」をもはや看破できないと呟いた。

2016年の選挙の最中に、ロシアの工作員によりハッキングされたと見られる民主党員およびクリントン陣営の約2万通のeメールを公表したことに加え、アサンジが飼い猫の糞の始末を怠り、大使館の中でスケートボードをしたことで、大使館側との緊張感が高まっていたと伝えられていた。(大使館側は昨年秋のメモで、アサンジの処遇についての見通しをまとめていた。

しかし、アサンジの逮捕は、2016年の選挙に影響を与えようとした各種の動きとは関係がなく、また米国における報道の自由を支持する人々の懸念に反して、出版元としての彼の職業に関係しているようでもない。アサンジは、2012年のスウェーデンでの性犯罪関連での尋問要求に応じなかった件で、またそれとは別に、2010年に国防総省をハッキングしようとした元陸軍2等兵に援助を申し出たとされる件で、11日に拘留された。

強要、性的虐待、レイプ(スウェーデン)

2010年、スウェーデンのヨーテボリにある国際検察庁は、2人の女性が性的不正行為の疑いでアサンジに対し訴訟を起こしたことを受け、アサンジに逮捕状を出した。元々顔なじみの2人の女性とアサンジのあいだは、合意に基づき始まった似たような出会いのエピソードがあったが、次第に強制的で暴力的な体験に発展したとされる。スウェーデン警察は、イニシャルAAとSWとされる女性との事件から生じたレイプ、性的虐待および違法な強要の疑いについてアサンジへの尋問を求めていた。最終的に、発行された令状には4件の容疑の詳細が記載されていた。

Translated by Chihiro Sato

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