セレブ御用達弁護士、NBAスターの和解金から約200万ドルを横領か

マイケル・アヴェナッティ容疑者。依頼人の元恋人、マイアミ・ヒートのハッサン・ホワイトサイド選手が支払った和解金200万ドルを横領した疑いがかけられている。(Photo by Peter Foley/EPA-EFE/REX/Shutterstock)

セレブリティ御用達の弁護士として知られているマイケル・アヴェナッティ氏が、横領容疑に問われている。2017年1月、彼の依頼人であるアレクシス・ガードナー氏に、元交際相手のNBAマイアミ・ヒートのハッサン・ホワイトサイド選手から支払ったおよそ200万ドルの和解金を横領したと、LAタイムズ紙が報じている。

女優兼バリスタのガードナー氏は、NBAプレイヤーを相手にした訴訟に先立ち、和解交渉の代理人としてアヴェナッティ容疑者を雇った(そもそもの訴訟内容に関しては不明)。アヴェナッティ容疑者の仲介で、両者は300万ドルを支払うことで和解が成立。ホワイトサイド選手の1回目の支払いの額面は275万ドル。残る25万ドルは、2020年11月1日に支払われる予定だった。検察局によると、アヴェナッティ容疑者が受け取ることになっていた報酬額は100万ドル強。だが彼は、和解金のうち250万ドルをプライベートジェットの共同購入に充てた。

アヴェナッティ容疑者はガードナー氏に支払いの詳細を意図的に改ざんして伝えたとみられ、1回目の支払いは弁護士費用分で、残りは8年間、月々96回の分割払いになると告げた。彼はホワイトサイド選手の月々の支払いだと偽って、11カ月間ガードナー氏に総額19万4000ドルを支払ったが、その後9か月間は、ホワイトサイド選手が協定に違反して支払いを滞納しているとして、依頼人を騙していたとみられる。

ガードナー氏は、和解契約書のコピーを受け取っていないと主張しているが、アヴェナッティ容疑者は、契約書に署名した当日に受け取っているはずだと反論。約300万ドルの和解金うち弁護士費用としてどの程度受け取ったのか、明言は避けたものの、ガードナー氏は「生活費、その他長期の費用も含め、19万4000ドル以上」受け取っていると述べ、意見の相違に関しては「法廷で証明する」つもりだと述べた。

「別れてから、私たち双方が和解に合意したのはもう2年以上も前です。ハッサンがNBAでのキャリアを積む何年もの間、アレクシスが支えてきた献身と費やした時間を考慮した上での和解でした」。2人はホワイトサイド選手の代理人を通じて、連名でLAタイムズに声明文を発表し、このように述べた。「2人のプライバシーにかかわる問題が今回こうして公のものとなり、なんとも残念です。私たちは友好的に前へ進み、お互いの今後の幸せ以外は何も望んでいません」

横領容疑は、ロサンゼルスで活動するアヴェナッティ弁護士が4月10日、カリフォルニア州サンタアナの連邦大陪審から起訴された内容の一部。36件の起訴内容の中には、脱税や詐欺破産、そのほか様々な金融犯罪が含まれている。また別件として、昨年3月にはスポーツ用品メーカー、ナイキに対する恐喝未遂容疑で逮捕されている。アヴェナッティ容疑者はすべての容疑に関して罪を否認している。仮に有罪判決の場合、36件合わせると最高382年の禁固刑が求刑される。

「誰からも、一銭も横領していません。あらゆる関連資料や事実が公判で明るみにされると期待しています」と、アヴェナッティ容疑者は21日にLAタイムズ紙宛てのメールで述べ、さらにこう付け加えた。「不服を申し立てた依頼人は、私が20年間以上にわたる弁護士生活で担当してきた何千人というクライアントのごく一部でしかありません」

Translated by Akiko Kato

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