踊Foot Worksメンバー全員で語る、ニューアルバム『GOKOH』全曲解説

M.08「NEASE」
「めっちゃエモくなったと思います」(SunBalkan)

―僕はこの曲大好きです。

SunBalkan:ヤバいっすよねえ。

Tondenhey:これはお蔵入りさせようとしてたデモなんですけど。

Pecori:直球すぎるかな、みたいな?

SunBalkan:普通にいい曲だし、そういう意味では飛び抜けてると思うけどね。個人的には、今回のアルバムは全部真顔でロジカルにベース弾いてたんですけど、この曲だけは全然違う感じでやりました。ほんと3発ぐらいで録りましたね。めっちゃエモくなったと思います。

―ある種の無邪気さみたいなのはありますよね。リリックもそうだし。

Pecori:これはTondenheyに「夢で出てきたみたいなリリック書いてよ」って言われて。夢って結構突飛で、たとえば<OBEY9発の銃声>っていうのは、『Arukeba Gravity - ep』に入ってる“They Live”って曲で書いた<9発の銃声>に悲しさを感じたり。でも、この曲って結構ラブロマンスにもなってて。フックで、ラブホでコーヒー飲んでたあの少女が、最後セブンイレブンの前でコーヒー持ってるっていう。で、また会えるなら夢でって、鈴木雅之入っちゃった、みたいな(笑)。


M.09「GIRAGIRA NEON」
「もしかしたらあなたがbluemanかもしれない……」(Pecori)

Pecori:group_inouのimaiさんとの共作ってかたちで。大枠ができてる状態のトラックがimaiさんから送られてきて「なんでもいじっていいよ」って感じだったんで、残しつつ、いじりつつっていう。

―この曲はとにかくメロディがいいんですよね。

SunBalkan:メロがいいっすよねえ。歌いたくなる。

―この曲には<blueman>というのが出てきますが。

Pecori:この<blueman>は“終着駅”とか“漂流民-blueman-”とかに出てくるやつと同じなんですけど、まったく関係ないところに散りばめるとおもしろいなと思って。bluemanは自分と対比している人間という感じなんすけど、そういうのがちょくちょく違う曲で耳に入ってくるとたぶん印象に残ると思って。『ワンピース』とかでも、全然関係ないのに後ろにまったく同じキャラがいたりするじゃないですか。

Tondenhey:blueman、めっちゃ怖くない?(笑)

Pecori:もしかしたらあなたがbluemanかもしれない……という感じです。


M.10「テレコになって」
「bluemanの歌ってことか。“テレコになって”は」(Tondenhey)

SunBalkan:これは俺のトラックです。ほぼ全部、歌以外は僕なんですけど、あと最後のギターソロだけ、身内に弾いてもらって。こういうのは初めてですね。本当はFKJをやりたかったんですけど、違うことしてみたらめっちゃハマったんですね。で、曲の終わりにクシャミの音が入ってるんですけど、Pecoriによると意味があるらしくて。

この曲って「羨ましいと思うやつと人生交換したい」っていう歌詞なんです。最終的に、Pecoriと入れ替わりたいやつがいて、そいつに噂されてクシャミしてるっていうことらしいです。レコーディングのときはクシャミに300回ぐらいトライして。

Pecori:クシャミ出すために鼻に紙縒りを何回も突っ込んで。

Tondenhey:じゃあbluemanの歌ってことか。“テレコになって”は。

Pecori:……早くない? また出てくるの(笑)。でも、いちばん明確にテーマが決まったし、すいすいリリックが出てきたのがこの曲ですね。


M.11「SEASONS」
「女の人に対して書きたくなかったんですよね」(SunBalkan)

SunBalkan:これはトラックはPecoriが作りました。

Pecori:4人でマイクリレーしようって話をして。最初のマイクリレーだし、そんなにテーマ性がなくても4人の色が出ればいいかなって思ってたけど、コンプレックスっていうテーマになって、8小節ずつ蹴って。「時をバベル」でも3人は歌ってるんですけど、SunBalkanの声は初出しで。なかなか嫌がったんすけど――。

Tondenhey:マイクの前に縛り付けて。

Fanamo’:結束バンドでね。

Pecori:「できないもん」とか言うから「今やれ!」っつって。そしたら意外と独特のリリック書いてきたなっていう(笑)。<男湯で伝われ>ってすごいパンチラインっすよね。

SunBalkan:女の人に対して書きたくなかったんですよね。だから<男湯で伝われ>ってしたんです。<愛してるのに>って入れたほうがいいって言われて。

Pecoriじゃなくて俺が言うのがいいって。ちょうど入る場所があったんで、とりあえず入れたんですけど、これはめっちゃ男に対しての歌です。

―マイクリレーの順番はすんなり決まったんですか?

Pecori:順番は必然的な感じかなって思います。やっぱり最後に初蔵出しを。

Tondenhey:トラックも気合入ってたもん、SunBalkanの最後のとこだけ。

Pecori:タップ!タップ!タップ! で、<愛してるのに>で抜く、っていう(笑)。

SunBalkan:でもほんと、できて良かったと思ってます。結束バンドで縛り付けられながらも。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE