RADWIMPS 野田洋次郎が見てきたポップカルチャーの原風景

RADWMIPS 野田洋次郎(Photo by OGATA for Rolling Stone Japan、Styling by Daisuke Fujimoto、Hair and Make-up by Asami Nemoto)



トム・ヨークの存在

ー間違いない(笑)。じゃあレディオヘッドの音楽性のすごみというのは徐々に理解していったと。


野田:そうなんですよ。やっぱりバンドを始めて、音楽を自分で構築するようになってからそのすごさに気づくというか。

ーレディオヘッドでありトム・ヨークの存在というのは、RADのみならずillionの音楽性やアティテュードも込みで今の洋次郎くんにもすごく大きな影響を及ぼしていると思うんですけど。やっぱりトム・ヨークはパーソナリティも含めて惹かれるものがありますか?

野田:ありますね。最近のトムはちょっとお腹も出てきてかわいいおじちゃんって感じもあるんですけど(笑)、パーソナリティも含めて魅力的だと思います。親近感も湧くし、アーティストとしていかに音楽と自分を一体化するか。その感覚にすごく影響を受けました。「そうか! 自分もこんなに音楽と一体になれるんだ!」という感覚を教わった気がしますね。

ーたとえばラブソングのあり方はどうですか? レディオヘッドの「クリープ」という初期の名曲は危ういほど親密なラブソングでもあるじゃないですか。それってRADWIMPSのラブソングに通じる部分もあるんじゃないかと思うんですけど。

野田:なるほどね(笑)。そこはあんまり自覚してないかな。歌詞の内容というよりは、やっぱりアーティストと音の結びつき方においてですね。あと、音楽性のフォーマットがどんどん変化していくあの自由さですよね。

ーアルバムごとに音楽性が劇的に変化するというね。それがロックシーンのモードを形成したり。

野田:そうそう。水のように柔らかくもあるし、固くもなれるし。その自由さに影響を受けていて。でも、歌詞も……何か近いものもあるんだろうな。だから俺はこんなに好きなんだろうし。トムにはこれまで3、4回会わせてもらってるんですけど。

ーあ、そうなんだ。

野田:トムはジョニオ(高橋盾)さんと仲がいいから、その繋がりもあって。

ートムとはどんな話をしたんですか?

野田:「ライブはどうだった?」とかそういう話ですね。そういうこともちゃんと気にする人で。「ってか、前回会ったのいつか覚えてる?」って聞くと「もちろん覚えてるよ」とか。

ー「最近はどんな音楽を聴いてる?」とか、そういう話は?

野田:それはしない。向こうも俺が憧れてるのを知ってるだろうし。

ーRADもそうだけど、illionのライブもぜひ観てもらいたいですよね。

野田:ね。盤は渡したけど。やっぱり俺の中でレディオヘッドはデカいですね。あと、すごく影響されたのはやっぱりレッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)ですよね。

ーレディオヘッドとレッチリは洋次郎くんの中で双璧という感じ?

野田:そうですね。だから、アトムス・フォー・ピースが結成されたときにトムとフリーが一緒にバンドをやることを知って「おおっ、マジか!?」ってなったもん(笑)。新木場STUDIO COASTであったアトムスの来日公演(2013年11月)も観に行ったけど、最高だった。

ー僕も観ましたけど、あのライブはほんとにエポックメイキングな内容でしたよね。徹頭徹尾、素晴らしかった。

野田:めっちゃよかったよね! あのライブはいまだに忘れられないですね。

ーレッチリのアルバムで言うと、リアルタイムで聴き始めたのは『カリフォルニケイション』(1999年)とかですか?

野田:高校のときにドンピシャだったのは『カリフォルニケイション』の次の『バイ・ザ・ウェイ』(2002年)かな? レッチリはどちらかと言うとフィジカルな面で影響されましたね。もちろん、楽曲にもすごく影響を受けたし。

ーたしかにサウンドプロダクションの構造的には影響を感じる面がけっこうありますね。

野田:ファンクの活かし方とか、一癖も二癖もあるあの感じね。

ーロックバンドとして肉体的にファンクやヒップホップを昇華するという。

野田:でも、レッチリってちょっと小難しそうに聴こえても音楽的には実はどこかでシンプルだったりもして。そういう落とし込み方も学んだかな。俺にとってのレッチリは最終的にポップソングに聴こえるんですね。

ー洋次郎くんらしい捉え方ですね。

野田:それはたぶん(ジョン・)フルシアンテのどうしてもにじみ出るポップセンスだったり、メランコリックさに由来してると思うんだけど。絶対に難しい音楽にならないそのバランスがいいと思うし、あとはやっぱりメンバー全員メロディメイカーなところも好き。フリーもそうだし、チャド(・スミス)もアンソニー(・キーディス)もメロディアスなセンスを持っていて。大好きですね。

ーさっきのメンバー全員インタビューでも「メンバー全員が超人みたいなバンドになりたかった」というようなことを言ってたけど、レッチリはそういうバンドですよね。

野田:まさに。だからけっこうレッチリの呪縛はデカかった(笑)。だって俺、レッチリは正直アンソニーがヴォーカルじゃなくても好きだもん。そういう感じがいいなって。それぞれのソロがめっちゃよかったり。

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