ショーン・ポールが語るJ.バルヴィンとの共演、レゲエとレゲトンの関係、Zeebraへのシンパシー

左からJ.バルヴィン、ショーン・ポール(Courtesy of ユニバーサルミュージック)


ー今年1月にリリースした「Shot & Wine」は割とストレートなレゲエ・チューンで、ステフロン・ドンと再び共演したナンバーでしたが、レゲエをベースに様々なタイプの曲に挑戦してきたあなたが、今目指しているのはどんな音楽でしょうか?

俺はアルバムベースで考えるタイプのアーティストなんだ。アルバムって、そのアーティストのそれまでの2年間と、次の2年間を定義付けるものだと思うんだよね。デカいアルバムの場合はそれ以上かもしれない。俺はそういう考え方をしてる。でも、「Baby Shark」みたいな曲がチャート入りしてるのなんかを見てると、「いや、アルバムばっかりガンガン押しても意味がないか」って思うわけさ。世界中でみんながシングルばっかり色々リリースしてるのにも気づいてる。ダンスミュージックだろうと何だろうと。プロデューサーもラジオでかかるような曲やってるし、他のアーティストもそうさ。だから俺もクリエイティブ面での競争としてそこに参加するかは自分次第だし、ツールだってスマートに活用しなきゃいけない。

だから今はシングルに集中してるんだけど、シングルは毎回同じサウンドであってはいけないと思ってる。だからいろんな方向性で色々やってる。今も結構な数の人と仕事してるけど、みんなフレーバーは違うよ。思いっきりダンスホールなのもあれば、ポップ・フレーバーなのもあるし、R&Bフレーバーのもあるし、今回だったらラテン風だし。今目指してるのは、とにかくみんなの耳に届く曲を作ることさ。本気で。「Baby Shark」みたいな曲と、まさかビルボードチャートで競い合うことになるとは、きっと誰も思ってなかっただろ。これも、最近はみんないろんなモノに気を取られて、すべて手元でアクセスしてるんだ、ってことなんだなって思う。



ー昨年リリースしたEP『Mad Love:The Prequel』ではデュア・リパ、エリー・ゴールディング、ミーゴス、ジャネイ・アイコ、デヴィッド・ゲッタ等、バラエティに富むアーティストとコラボレーションしていますが、あなたがコラボ相手を決めるのには、どんな点を重視していますか?

まずはサウンドから始まるんだ。それまで作品も知らなかったアーティストやグループを紹介されることもあるけど、曲を聴いて気に入れば「よし、やろう」ってなる。断ったケースもたくさんある。理由はだいたい、特にトラックに惹かれなかったとか、似たような曲をもうやったことがあったから、とか。コラボするかしないかの決断には他にも様々な条件が出てくるけど、まず大事なのはトラック。それと、自分でやってていい曲ができるかどうか。「Mad Love」も、5回作り直したんだ。デヴィッド・ゲッタが「ん〜、もう1回やってみよう」って言ってさ。俺もそれは気にならない。音楽に関しては、俺が常に最終決断権を握ってる必要はないからね。もちろん自分の好きなこと、やりたいよ。でも同時に、他の人にも自分のやってる音楽を楽しんでもらいたいと思ってるわけだからさ。やり方がわからないとか、自分が慣れてない雰囲気の作品だったら、プロデューサーでも、他のアーティストでも、人に教わればいいって思ってる。俺、コラボは本当に好きなんだ。ファンを繋げてくれるし、いろんな人を繋げてくれるし、アーティストとしての自分の考え方を成長させてくれると思うから。



ーコラボのオファーが来ることはしょっちゅうだと思いますが、今でも自分から他のアーティストにアプローチすることもあるのですか?

当然さ! 例えば、「No Lie」のフックを書いた時、最初に歌ってくれたのはエミリーって女の子だった。「この曲で彼女以上のことできるシンガーはいないだろ!」って思ったんだけど、誰かがデュア・リパの曲を聴かせてくれて、「彼女も素晴らしい声してるな!」って感動してたら、マネージャーが「じゃあこの曲やってもらったら?」って言ってくれてさ。「うん、いいね」って実現したわけさ。あと、「Mad Love」では本当はシャキーラを狙ってたんだよな。でもなんか規制があって、リリックは提供してくれたんだけど、実際に歌うことはできないってことになってさ。だから「じゃあ周りの仲間に誰かいるかな」って考えて、「あ、ベッキー・Gで行ってみよう」ってことになったんだ。彼女は、周りのプロデューサーから、彼女が小さい時から薦められていて、俺もその成長を見てきたんでね。「じゃあ、まあやってみようか」ってコラボすることになったわけさ。俺はこれまでにも、ほとんど無名のアーティストを取り上げたこともあるからね。別に、有名であることは条件じゃないんだ。やっぱりサウンドだよ。

ーあなたが「Gimmie The Light」や「Get Busy」で世界的ブレイクを果たした2003年から、早くも15年以上が経過しましたが、あなたの音楽への取り組み方や音楽へのアプローチで、変わった点、変わらない点は何でしょうか?

音楽への取り組み方は、ほとんど同じだよ。スタジオに入ると燃えるし、新しいリディムを聞くのは好きだし。昔より作業が早くなったかな、と思う。今週3、4曲作ったら、次の週にはそれを何度もリピートで聴いて、「お、これ良いな!」なんて納得してたりする。自分でやったとは思えないこともあるんだよな。トランス状態っていうか、ディープな状態になるんだ、スタジオにいると。目の前にあるパズルを、ガンガン合わせて傑作ができるまで作業してる感じ。で、自分で一つ一つパーツ組み合わせて作った傑作の全体像を目の当たりにする。そうやってスタジオに入って音楽を作る作業は、俺がこの業界にいて最もやりがいを感じるコトの一つだよ。


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