ニルヴァーナとともに生きたメンバー、家族、友人が語る、カート・コバーンへの賛辞

Michel Linssen/Redferns

友人、家族、バンドメンバー、若いフォロワー、シアトル・シーンのバンド仲間などがカートの人生と彼が遺したものについて敬意を表して語ってくれた2014年にローリングストーン誌に掲載したコメント集を紹介する。

多くの意味でニルヴァーナは、初期のビートルズ、70年代のパンク、80年代のオルタナティヴなどの数十年にわたる革新的な音楽の集大成であった。ニルヴァーナはジャンルを問わず様々な世代に支持者を生んだバンドであるため、これから紹介する15の賛辞コメントがクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのヒーロー、ジョン・フォガティや新進気鋭のインディ・ロック・スター、ベサニー・コセンティーノなど全く異なるタイプのアーティストからのものであるのも不思議ではない。リヴァース・クオモはニルヴァーナにいまだに抱く畏敬の念について「とにかく俺は彼らの音楽が好きすぎて気分が悪くなるぐらいだ」と語っている。

デイヴ・グロール
サンプル
Kevin Mazur/Getty Images for SiriusXM
ノヴォセリック・グロール&ザ・バッド・コミュニケーター

最近、1992年にカートがくれた手紙を見つけたんだ。もし家が火事になったりしてそれが燃えてしまったらひどく落ち込むよ。当時、彼と全然話をしていなくて俺抜きで決定されるようなことがいくつかあったから俺は怒っていた。俺が怒っているのを誰かに聞いて彼は手紙を送ってくれたんだ。内容は、心配ない、世間が騒いでいるのもそのうち終わってたぶんピクシーズやソニック・ユースのレベルぐらいに落ち着くだろう、それから、ニルヴァーナを解散してノヴォセリック・グロール&ザ・バッド・コミュニケーター(うまくコミュニケーションが取れないやつ)っていうバンドを始めたいと思っている、というものだった。手紙の最後には、距離をおいてしまっていて申し訳ない、メンバーとして、“兄弟”として、このバンドでのおまえの役割は本当に重要だってことを知っておいてほしい、と書いてあった。最後は…、ただバイバイと締めくくられてあった。でも、それが夜寝る時に頭に浮かんでくるようなもの、俺のビジョンだけじゃなくカートのビジョンも思い出させるものとなったんだ。(2002年)

Translated by Takayuki Matsumoto

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