犬小屋に少女を監禁していた男が有罪に 被害者が語る「想像を絶するトラウマ」

マイケル・ウィソロフスキー被告、有罪判決を受けるも禁固刑はなし。(Photo by Gwinnett County Detention Center)

米ジョージア州の33歳の男性が10代の少女を1年間拘束し、犬小屋に監禁したうえ、本人の意思に反して性行為を強要した。だが、彼が刑務所に収監されることはない。

アメリカ時間2日、マイケル・ウィソロフスキー被告は第1級児童虐待および州間親権妨害で有罪を認めた。10年間の保護観察および禁固8カ月を言い渡されたものの、裁判が始まる前にすでに収監されていたことから、判事は被告がすでに刑期を終えたと判断した。ウィソロフスキー被告は生涯、性犯罪者データベースへの登録が義務付けられる。

まずウィソロフスキー被告は、インターネットの拒食症支援フォーラムで当時15歳の少女と出会った。フォーラムで少女は人生が楽しくないと言い、家出したいと漏らした。2人は1年間メールをやりとりした後、ウィソロフスキー被告が彼女の故郷ノースカロライナ州シャーロットを訪問。ジョージア州アトランタ口外のダルースにある自宅へ少女を連れていった(少女はこの時16歳で、ジョージア州では合意年齢にあたる。ゆえに、ウィソロフスキー被告は児童性的虐待の罪には問われていない)。

検察によると、その日を境にウィソロフスキー被告と少女は性的関係を持つようになった。はじめは双方同意の下で、強姦を想定したボンデージSM行為から始まったが、やがて「度を越えた力」を伴う本物のレイプへと発展していったとみられる。少女はノースカロライナ州で1年以上も行方不明者として捜索が続けられていたが、ついに少女はウィソロフスキー被告との状況を拒食症支援フォーラムの投稿者に話し、FBIに通報が入った。2017年に警察が被告の自宅で少女を発見。ウィソロフスキー被告は強姦およびソドミー法加重違反で逮捕、起訴された。

被害者の父親の証言によると、少女は発見時に極度の栄養失調状態だったという。ウィソロフスキー被告から犬小屋に監禁されていたため、白癬や背骨の異常も見られた。のちに少女は裁判で、ウィソロフスキー被告から水責めの拷問を受けたために次第に入浴やシャワーに恐怖感を抱くようになったと証言した。また少女の証言によれば、被告は少女の摂食障害を逆手にとり、少女の食事を極度に制限したり、1日の摂取カロリーを設定したり、これ以上太ると誰からも愛されなくなると執拗に言い続けたという。少女は証言中ぬいぐるみを抱きしめながら泣きじゃくり、本人曰く「想像を絶する」トラウマをウィソロフスキー被告から受けたと語った。

「彼は私を徹底的に操り、私の精神疾患を利用して自分の欲望の道具にしたんです」

残虐な性的虐待の容疑をかけられながら、比較的軽い刑罰で済んだ最新の事例は、ウィソロフスキー被告を含め2件。ごく最近ではニューヨーク州でバスの運転手をしていた26歳のシェイン・ピシェ被告が、14歳の少女を強姦したのにもかかわらず、禁固刑を免れた。しかもウィソロフスキー被告とは違い、オンライン性犯罪者データベースへの登録義務もない。この判決に被害者の両親は激怒した。

だがこれとは対照的に、ウィソロフスキー被告の被害者とその家族はアトランタ・ジャーナル・コンスティテューション紙に対し、これ以上裁判でトラウマを重ねたくないので、今回の判決に満足していると語った。またマイケル・デタルド検事も、ウィソロフスキー被告と被害者のボンデージSMプレイは「グレーゾーン」があるため、仮にこのまま裁判が続いても、陪審がすべての起訴内容で被告を有罪にするかは微妙だと述べた。

量刑判決の後、ウィソロフスキー被告は判事への申し開きであまり多くを語らなかったが、自分としては被害者が劣悪な家庭環境から逃れるのを「助けていた」つもりだった、とだけ述べた。だがグウィネット郡高位裁判所のティモシー・ハミル判事はこの主張に取り合わず、性犯罪者レベル1への区分を希望する被告の請求を却下した。レベル1の場合、被告本人の有罪答弁が刑期終了と同時に犯罪歴から抹消されてしまう。

「自分の行いを人助けだとするあなたの歪んだ解釈には納得しかねます……あなたからは一切感情が伺えません」とハミル判事は返答した。「後悔の念がまったく見られません」

Translated by Akiko Kato

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