顔面に血を塗りたくる美容法「ヴァンパイア・フェイシャル」で血液感染、生みの親が語る

有資格の医療関係者が施術することになっているものの、需要増加のため不認可クリニックでも施術が行われるようになっている。こうした傾向を誰よりも嘆いているのが、チャールズ・ラネルズ医学博士だ。細胞医学学会(CMA)の創設者である彼は、何を隠そうヴァンパイア・フェイシャルとヴァンパイア・フェイシャルリフトの生みの親。2010年、最初にヴァンパイア・フェイシャルリフトで商標登録し、その後ヴァンパイア・フェイシャルも商標登録した。

ラネルズ博士は、ニューメキシコ州の件でのウィルスの詳しい感染経路はわからないとしながらも、おそらく施術者が廉価版の装置を使っていて、そこに他の患者から採取した血液が付着していたために二次感染したのでは、とにらんでいる。「施術者は私の研究チームにいたわけでも、私のもとで訓練を受けたわけでもないのに、勝手に私の名前を悪用してしていたのです」とラネルズ博士はローリングストーン誌の取材に答えた。または、施術で使われた注射針の廃棄方法が不適切だった可能性もある。「我々はマイクロニードリング用と、消毒済みの施術ツールしか使いません。いずれも施術の度に施術室で開封します。施術ツールはすべて消毒され、一度使った後は廃棄されます」とラサック博士も言う。「こうした厳しいガイドラインに沿って行う限り、PRPフェイシャルは極めて安全な美容施術です」

訓練を受けていない従業員がから血液を採取され、顔に塗られるのを喜ぶ人がいるとは思えないが、ラネルズ氏いわく、驚くほど日常的に行われているという。「先週は知的財産に関する勧告書を300枚も出しました。去年は弁護士費用に80万ドルもつぎ込みましたよ」という彼は、非正規ヴァンパイア・フェイシャル施術者の拡散ぶりをこのように例えた。「ハンバーガーの屋台にマクドナルドのロゴをくっつけても、マクドナルドにはなれません。そこのハンバーガーは美味しいかもしれませんが、実際はヤギの肉かもしれないのです」

Translated by Akiko Kato

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