キング・クリムゾン50周年記者会見で明らかになった15の事実

バンドリーダーのロバート・フリップ(前列左)による4時間のインタビューを含む、キング・クリムゾンのプレスイベントからハイライトを紹介(Photo by Dean Stockings)


1.フリップはようやくバンドの全レパートリーを違和感なくプレイできるようになった。

当初7人でスタートし、その後8人編成に巨大化した現在のダブルカルテット編成は、2013年以降何人かのメンバー入れ替えがあったものの、バンドの歴史において最長のラインナップとなっている。現ラインナップの目玉は、バンドの各時代の楽曲をプレイしていることだ。これまでは例えば80年代のラインナップは、「21世紀のスキッツォイド・マン」などバンドの代表的なアルバム『クリムゾン・キングの宮殿』からの楽曲をプレイしなかった。「1981年当時の我々は“プログレッシブ・ロックのダイナソー(恐竜)”だったから、バンド初期の作品をプレイすることはほとんど不可能だった」とフリップは記者会見で説明した。「つまり当時のオーディエンスから見ると、初期の音楽は歴史上の作品であり、時代遅れだったのだ。そして50年が経った今、我々はもう流行から脱却した」という。それでもフリップにとってはタイミングだけの問題ではなく、個人的な問題でもある。「音楽的に全レパートリーを受け入れられるのが、現在のキング・クリムゾン。それを実現できる度量を持つ初めてのキング・クリムゾンだ」



2.おそらく“プリマドンナ”のいない現在のラインナップに畏敬の念を抱いているからだろう。

2017年にメキシコで行った5回のコンサートから製作したライブアルバム『メルトダウン~ライヴ・イン・メキシコ』(2018年)のライナーノーツの中でフリップは、現行のグループを“音楽的、人間的、そしてプロとしてもこれまで関わった中で最高のバンド”と表現している。大胆な意見だが、同ライブアルバムの持つ驚くべき視野の広さを窺わせるものだ。アルバムには、比較的マイナーな1970年代初期の『リザード』や『アイランズ』から新しい作品まで、キング・クリムゾンの全13枚中11枚の楽曲がフィーチャーされている。さらに、8ピースバンドの計り知れないパワーと幅広さが込められているといっても過言でないだろう。

この日のフリップは、現在のラインナップがこれまでと違う点についても掘り下げた。「メンバーの音楽性や経験の幅広さは、私にとって本当に驚異的だ」と彼は言う。さらに彼は、ザ・ローリング・ストーンズの「ミス・ユー」でサックスのソロを吹いたメル・コリンズ、ヨーコ・オノ、フィル・スペクター、バディ・リッチらとも仕事したベーシストのトニー・レヴィンらメンバーの経歴や、伝説的なアーティストがツアー中に現れたエピソードなども披露した。

フリップはまた、1972年〜73年にパーカッションを担当したジェイミー・ミューアが「我々は音楽に奉仕するために集まった」と当時のバンドメンバーだったビル・ブルーフォードに述べた言葉も引用した。

「とても高尚な志だが、それを本当に実現した初めてのバンドだ。誰にも縛りはない。別の言い方をすると、このバンドにプリマドンナはいない、ということだ」とフリップは言った。


Translated by Smokva Tokyo

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