GLAY・TAKUROがスティーヴ・ルカサーと対面「音楽の世界で自分たちらしくあるために」

左からスティーヴ・ルカサー、GLAY・TAKURO(Photo by Hikaru Hagiwara)

ギターインストアルバム第2弾『Journey without a map Ⅱ』を先日発表したGLAYのTAKURO。ギターの可能性を追求し続ける彼にとって、TOTOのスティーヴ・ルカサーは10代の頃から憧れてきたヒーローだという。そこで今回、リンゴ・スター&ヒズ・オール・スター・バンドの一員としてルカサーが来日したタイミングで、夢の日米ギタリスト対談が実現。ホテルの一室で、独自の哲学について語り合った。

ー今回はあくまで“対談”ですので、基本的にはお2人でご自由に話を進めてください。僕はあくまで交通整理役というか、ときどき口を挟ませていただくことになると思います。

LUKE(スティーヴ・ルカサー、以下同):ああ、どうぞ。好きなようにやってくれ。どんな話題を振ってもらっても大丈夫だ。何でも訊いてくれ。ただ、俺の回答には気をつけてくれよ。期待していることは言わないかもしれないからね(笑)。俺はちょっとクレイジーだからな。なにしろツアー生活を43年も続けているから。まあ、昔ほどクレイジーではなくなっているけど。

―TAKUROさんもまた、この生活を20数年にわたり続けてきているわけです。

TAKURO:ええ、25年になります。まず今、スティーヴさんに言いたいのは、僕の拙い英語をご容赦ください、ということで。

LUKE:いや、問題ないよ。それにキミは、着ているものがとても素敵だ。見るからにロックスターのようじゃないか!

TAKURO:恐縮です(笑)。実はTak Matsumotoから、よろしくと伝言を預かっています。彼は、僕の親しい友人のひとりなんです。

LUKE:そうなの? 彼はブリリアントなミュージシャンだ。Takのことはよく知っているし、大ファンだ。俺にとっても最も親切な人間のひとりだといえる。あれは5~6週間前のことになるのかな、TOTOで武道館でプレイした時、彼は会いに来てくれた。すごく奇妙だったのは、彼がずっと同じ部屋にいたのに気付かずにいたこと。俺は他のやつらとのお喋りに花が咲いて、彼がそこにいることに気付かなかったんだよ。そこで誰かが、「LUKE、あそこにTakがいるぞ!」と声をかけてくれて、「おい、何をやってるんだよ!」ということになった(笑)。俺、老化が進んでるんだ。何も覚えられないんだよ(笑)。

TAKURO:彼は僕に言っていましたよ。とにかくあなたは紳士ですごく良い人だ、と。

LUKE:僕からもよろしく伝えておいてほしいな。また会うのを楽しみしている、とね。実は彼にディナーを奢らないとならないんだ。本当だよ(笑)。というのも前回は彼が奢ってくれたから、今度は俺が奢る番なんだ。

TAKURO:ええ、彼から聞きましたよ。一緒にレストランに行かれたとか。

LUKE:素晴らしいレストランに連れて行ってくれた。すごく楽しかった。実のところ、数年前の彼の英語は、やっとそれなりになりつつある、という感じだったけども、今はかなり上達している。だけどおかしいのは俺たちがお互いに同じようなことを言い合っている、ということ。「俺の英語は……」「いや、俺こそ日本語ができないし」みたいにね。そこで2人のギタリストが、ほとんど身振り手振りと感覚だけで会話をして楽しんだ、ということなんだ。時には言葉以上にそれがモノをいう。だから俺には理解できたんだよ、彼の言うことが。俺が彼に対して話せる以上に。そのことからも、言語よりもヴァイブのほうが重要だということがわかる。俺は彼が英語を喋らなかったとしても好きだ。そして、俺は日本語を喋らない。2人ともほとんど同じだよ。

―今回、TAKUROさんはTakさんのお世話になっているんですよね?

TAKURO:ええ。彼は僕のソロ・アルバムのプロデューサーなんです。1枚目も2枚目も、彼がプロデュースしてくださって。

LUKE:ああ、(彼がプロデューサーを務めているということは)やっぱりキミはロックスターなんだな。どうりでそれっぽく見えると思ったよ。実際にそうなんだな。許してくれ(笑)。

TAKURO:いやいや(笑)。7年ほど前から、僕はジャズやブルーズもプレイするようになりました。もちろん最初はロックンロールからプレイし始めたわけなんですけど。


Photo by Hikaru Hagiwara

LUKE:俺もだよ。すべてはビートルズから始まった。そして今、俺はビートルズのメンバーのひとりと一緒にここにいる(=リンゴ・スターのツアーに同行)。

TAKURO:最高です! 実は僕、ビートルズのファンクラブの会員なんです! 今なおシネ・クラブとかに入っているんです。

Translated by Kazumi Someya

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