チューバッカを演じた故ピーター・メイヒュー未公開インタビュー

—この30年間で、ハリソン・フォードとの最初の撮影を振り返ってみると、いかがでしたか?

とても興味深いものだった。ハリソンは素晴らしい先生だよ。何をすべきか、どうするべきかを教えてくれるんだ。だからついて行くだけで——徐々に彼の言葉の意味が理解でき、それがチューイそのものへと繋がっていくんだ。

—何年にも渡りこのキャラを演じていますが、演技的な部分で、チャレンジングなこともあったかと思います。それらは、どのように対応してきましたか?

ジョージ・ルーカスは僕に、チューバッカは身振り、手振りだけを必要とするキャラクターだと教えてくれた。そして撮影後に、音をつけることもね。その言葉は、僕を随分楽にしてくれたよ。なぜなら、僕はマスクを通して大きな声を出せばかったからね! 難しいことではあったけど、現場でできるだけやって、あとはスタジオで声を被せた。それは消して、簡単なこととは言えなかったな。

—あなたの仲間である俳優陣もこう言っていましたが、やはりあなたがコスチュームを纏い、再びミレニアム・ファルコンに乗るシーンは、言葉にできないほどの感動を覚えました——カリフォルニアで行われたスター・ウォーズ セレブレーションで、あなたの協力があったからこそ出来上がった、そのトレイラーが発表されましたね。ファンとしても、その映像は本当に感動的でした。

僕も鳥肌が立った。7000人もの人たちが チューイが映画に登場することを望み、映像を観た後に全員が立ち上がり、賞賛している光景を想像すると、とても不思議な感覚になる。それは、目を見張るような光景だった。そして、生涯忘れることは無いよ。

—『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』について、撮影中に印象に残ったことなどありましたか?

それは多分、ファルコンに戻ったことだろうね。なぜなら、全く同じサイズだったから。製作陣は、オリジナルファルコンの図面を使って同じサイズのファルコンを作り、僕らはそれで、映画の撮影をしたんだ。どちらもコクピットのスライダーに、レースカー仕様の座席を設置していたから、僕と、僕の長い足も、特にトラブル無くすぐに乗り込むことができたよ。

—ハリソンは、撮影中にアクシデントがあったと教えてくれました。ファルコンのドアで脚を骨折してしまったようですね。その時、あなたも側にいたのでしょうか?

近くにいたよ。でも、僕は助ける側には回らなかったんだ。彼らが何をしていたか見たけれど、そこには舞台係や、俳優陣がたくさんいて、みんな助けようとしていた。そこには充分、彼を助けるための人がいたんだ。

—先日アンソニー・ダニエルズと話した際、旧3部作の中で、C-3POのお気に入りの瞬間を語ってくれました。もしあなたがチューイのお気に入りの瞬間を挙げるとしたら、どの部分になりますか?

一つは、映画の中でチェスをしたシーンだと思う。そこにはチェスボードはあったけれど、駒が無かったんだ。駒がないのに、どうしたらチェスをやるんだって?答えは、後から駒を合成したんだ。『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』では、僕たちがホスにいた時、マーク[ハミル]とハリソンがまだ外にいるのに、大きなドアを閉めたシーンだね。チューイはファルコンの下にいて、ドアが閉じられるのを見たとき、大きな唸り声をあげて……まさに轟音だった。僕たちはそれを、確か2テイクくらいで撮ったんだ。もし観てくれたら、とてもエモーショナルなシーンだと思うよ。

—そうでしたね!忘れられないシーンです。

そうだよね。素晴らしかったと思う。『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』ではどうだったかって?ジャバ・ザ・ハットの船の上にいた時かな。なぜならその船は30-40フィートの支柱の上に乗っていて、長さは15フィート、そして6人くらいの人が乗っていた。ビリー[ディー・ウィリアムズ]もいたし、ハンもいたんだ。するとその船が、いきなり前後に揺れだしたんだよ!でも僕たちは乗り越えた。そして撮影は続いたんだ。

—『スター・ウォーズ』シリーズがここまで愛される理由は、何だと思いますか?

それは多分、この映画が家族映画だからだと思う。初めて『スター・ウォーズ』が放映された時、孫から祖父、祖母までが一緒に楽しめるものは周りに何も無かったんだ。そこに、『スター・ウォーズ』が現れ、子供達はロボットや、そこにあるすべてを愛した。親はそれを見て、「自分達にもできるぞ」と考えた。そして祖父と祖母たちは、キャリー[フィッシャー]とマーク、そしてハリソンの三角関係を大いに楽しんだ—そしてハリソンが報われることになるんだ。

—では最後に、これまで演じてきたチューバッカとは、どんな役でしたか?

私が演じたキャラクターは、基本的にテディ・ベアなんだ。君がオフィスで周囲を見渡した時、何人の人々が若い頃、テディ・ベアが大好きだったり、持っていると安心するぬいぐるみとして触れてきたと思うかい?チューイは、まさにそれなんだ。彼はみんなを見守っていたんだよ。


Translated by Leyna Shibuya

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE