柴那典が分析する「ラップとロックの境界を破壊した男、ポスト・マローンこそがロックの未来か?」

ポスト・マローン(Courtesy of UNIVERSAL MUSIC)



ちなみに、彼をスターダムに押し上げたキーパーソンが一人いる。アルバム『Beerbongs & Bentleys』収録曲の多くにプロデューサーとして携わり、MTVビデオ・ミュージック・アワードのステージでも彼の隣でこってりとしたギターフレーズを弾きまくっていたギタリスト/プロデューサーのアンドリュー・ワットだ。2017年、彼がwatt名義で発表した「Burning Man」にポスト・マローンがフィーチャリングで参加しているのだが、この曲がまさにエアロスミスの「Walk This Way」を彷彿とさせるようなハードロック・ナンバーなのである。その後もカミラ・カベロ「Havana」やフューチャー&ジュース・ワールド「Jet Lag」など多くの楽曲にソングライターとして関わる彼は「ラップ全盛のシーンにロックを復権させる」キーパーソンの一人だと思っている。

watt - Burning Man ft. Post Malone



そう考えていくと、今年のグラミー賞に心から文句をつけたいのは、ポスト・マローンがロック部門で受賞しなかった、というかノミネートすらされなかったこと。グレタ・ヴァン・フリートは優秀なバンドだから腐すようなつもりは全くないけれど、彼らやスタークロウラーのようなお行儀の良いリバイバリストを「ロックの未来」として褒めそやすような向こうの音楽業界のミドルエイジたちが本当の意味での「ロックの未来」を殺しているとマジで思う。

Edited by The Sign Magazine

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