モルモン教徒の共和党員、動画でゲイをカミングアウト

米ユタ郡の郡政委員で共和党員、末日聖徒イエス・キリスト教会の信者でもあるネイサン・アイヴィー氏(Photo by Evan Cobb/The Daily Herald/AP)

米ユタ郡の郡政委員、ネイサン・アイヴィー氏は共和党員だ。ずいぶん前から末日聖徒イエス・キリスト教会に通う信者でもある。そして彼はゲイだ。彼は今、これら3つの自分をすべて、ありのままに受け入れてほしいと願っている。

Facebookに投稿された胸を打つ動画の中で、アイヴィー氏は告白する理由をこう語っている。「正直にならなくてはいけないと思いました。友人に対して、家族に対して、そしてユタ郡の皆さんに対して」

「これからお伝えすべきことは、僕にとって簡単ではありません。すべての人々から快く受け入れてもらえないかもしれません」とアイヴィー氏。「僕もそれは承知しています。ただ皆さんには、僕が告白したいと思った同じ気持ちで、耳を傾けていただきたいければと思います」

「僕はゲイです。それが僕の現実です」

アイヴィー氏いわく、彼は何十年もの間自分のアイデンティティに悩んできた。性的嗜好のせいで、自分はどこかおかしいのではないかと感じていた(末日聖徒イエス・キリスト教会はホモセクシャルと同性婚に反対している)。彼は苦悩の末、22歳のときに自殺しようとまで考えた。

アイヴィー氏は「世間が期待する人生を送ろうと努力」して、女性と結婚し、2人の子供をもうけたが、やはり「自分が壊れている」という気持ちはぬぐえなかったという。仕事を通じて、自殺したLGBTQの子供の親と話をするうちに、少しずつ自分の中で自分を受け入れるようになったと、NBCニュースとのインタビューで語った。同性カップルとの交流や、同性婚の結婚式でカメラマンも務めたことも「目を覚ますきっかけになりました。『もしかしたら、僕は壊れていないのかもしれない』と」 。その後妻とは別れたが、本人いわく2人の絆が「壊れることはなく」、今でも自分の親友だという。

「今日、僕がお伝えしたことを理解できない、あるいは受け入れられないという方もいるでしょう。それも分かります」と、動画の中で彼は言った。「時間をかけることで、こうした人々にもいつか理解が訪れることを願っています。ですが僕は知っています。僕が人生で出会った大半の人々は、僕が思っていたよりはるかにずっと、理解力のあるということを」



Translated by Akiko Kato

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