両親を殺害され、88日間監禁された13歳少女の言葉「被告は私を打ち負かすことができない」

ジェイミー・クロスさんを誘拐したうえ、彼女の両親を殺害したジェイク・パターソン被告。2件の殺人罪でそれぞれ終身刑を言い渡される。(Photo by Renee Jones Schneider/AP/REX/Shutterstock)

現地時間24日、13歳のジェイミー・クロスさんを誘拐し、彼女の両親を殺害したとして有罪を認めたジェイク・パターソン被告に量刑判決が言い渡された。父親のジェームズ・クロスさん、母親のデニースさんに対する殺人罪では2件とも終身刑、ジェイミーさんに対する88日間の監禁罪では40年の禁固刑が言い渡された。

スクールバスに乗るジェイミー・クロスさんを見かけてから彼女につきまとうようになったパターソン被告は、2018年10月15日、パターソン被告は父ジェームズ・クロスさんを射殺。ジェイミーさんと母親のデニースさんは浴室のバスタブに身を潜めていた。その後被告はデニースさんを殺害し、ジェイミーさんを誘拐。彼女を車のトランクに押し込み、ウィスコンシン州のクロス宅から65マイル先にある自分の小屋まで運転した。

パターソン被告は88日間、自宅にジェイミーさんを監禁。周囲に知られないよう、食事も水も与えず、何時間もベッドの下に閉じ込めていた。彼女が逃げられないよう、ベッドの脚に重しをつけていたという。

2019年1月10日、パターソン被告が留守にしていた数時間に、「被告の生活習慣をチェックしていた」というジェイミーさんは、隙を見て逃げ出した。ソーシャルワーカーの1人が行方不明のニュースで顔を覚えていたため、ジェイミーさんは警察に保護された。後日パターソン被告は逮捕され、警察に対して「自分がやった」と自白した。

ジェイミーさんは判決には出席していなかったが、家族が本人の陳述書を法廷で読み上げた。陳述書の中で10代の少女は判事に対し、パターソン被告に対する終身刑を要請していたと、CNNは報じている。

「いまでは家の警報をセットしないと眠ることができません。以前は友達と外出するのが好きでした。学校に行くのが好きで、ダンスを踊るのが好きでした。彼はそれらすべてを私から奪ったのです」と、ジェイミーさんは陳述書で述べた。「いまの私には表に出ることなどできません。怖くて、不安でたまらなくなるのです。私のような女の子ならごく当たり前にやるようなことですが、私にはできません。彼にすべて奪われてしまったからです」

だがジェイミーさんの勇気、活力、そして自由はパターソン被告も奪うことができなったと述べた。

「ジェイク・パターソン被告は決して私を打ち負かすことができません。私は、彼が背負うべきだと思う刑罰を判事に伝え、彼に打ち勝ったと感じています。彼は私の両親を奪いました。私の好きだったこともほとんど奪いました。88日間、彼は私自身も奪おうとしました。彼は自分が傷つける相手、殺す相手が誰だろうと気にも留めませんでした」と陳述書は締めくくった。「彼は永遠に牢屋に入れておくべきです」

パターソン被告は3月、2件の殺人罪と1件の未成年誘拐罪で有罪を認めた。24日の量刑判決に先立ち、パターソン被告は公判でこう発言した。「自分がやったことを取り消すことができるなら、どんなことでもやるでしょう。死んだってかまわない。2人を生き返らせることができるなら、それこそなんでもやります」

彼の弁護士は判事に対し、有罪答弁に免じて情状酌量を訴えていた。また「被告が抱える問題に対する」措置と、「被告に必要なサービス」の提供を求めていた。

バロン郡巡回裁判所のジェームズ・C・バブラー判事の意見は違っていた。「私の見解では、被告は間違いなく、この地球上に現存する最も危険な人物の一人です」と、量刑判決に際してバブラー判事は述べた。「今回の判決で何より優先すべきは、一般市民の保護です。他の一般市民は自由と公正を享受してしかるべきです」。ウィスコンシン州では死刑は認められていない。

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE