22回仮釈放申請しているマンソン・ファミリーの元メンバー、またもや却下される

2018年1月、カリフォルニア州コロナにあるカリフォルニア州女子収容所で、仮釈放審査会に出席するレスリー・ヴァン・ホーテン。(Photo by Stan Lim/AP/Shutterstock)

アメリカ時間3日、カリフォルニアのギャビン・ニューサム州知事はレスリー・ヴァン・ホーテン受刑者の仮釈放申請を却下した。ヴァン・ホーテン受刑者はマンソン・ファミリーの元メンバーで、ロサンゼルスのレノ・ラビアンカ、ローズマリー・ラビアンカ夫妻の凶悪殺人に関与したとして有罪判決を受けていた。ニューソム州知事は声明の中で、刑務所内で進歩が見られたことを認めつつも、依然として受刑者が他者の安全を脅かす危険があると述べた。

「ヴァン・ホーテン受刑者とマンソン・ファミリーは、カリフォルニア州の歴史の中でも最もおぞましい残忍な殺人を犯しました」と、ニューソム州知事は声明で述べた。「総体的に検討した結果、現時点で彼女を釈放した場合、むやみに社会を危険にさらすことになるだろうとの判断にいたりました」

ヴァン・ホーテン受刑者は現在69歳。19歳のときにマンソンと出会い、たちまち心酔するようになった。1969年8月10日、レノ&ローズマリー・ラビアンカ夫妻がロサンゼルスの自宅で殺害された事件に関与したとして逮捕された(その前日、故シャロン・テートのロサンゼルスの自宅で起きた殺人事件で、テート、アビゲイル・フォルガー、ジェイ・セブリング他を殺害したのはマンソン・ファミリーの別のメンバーで、ヴァン・ホーテン受刑者は関与していない)。ヴァン・ホーテン受刑者と仲間のパトリシア・クレンウィンケルはローズマリー・ラビアンカの頭に枕カバーをかぶせ、ランプのコードで猿ぐつわをした後、14~16回にわたって刺した。

1971年、ヴァン・ホーテン受刑者はラビアンカ夫妻殺害への関与で死刑を言い渡された。カリフォルニア州が死刑を廃止したことで死刑判決が撤回され、その後2回の量刑裁判を経て、1978年にあらためて仮釈放付きの終身刑が言い渡された。CNNによると、彼女は死刑判決に対して22回も抗議申し立てを行っている。

事件当時まだ19歳だったことから、ヴァン・ホーテン受刑者の心理評価を行った心理学者の中には更生の可能性があるとの見解を口にする者もいる。ある心理学者は書面で、ヴァン・ホーテン受刑者が「人命を奪う行為に関与した背景には、衝動的に行動する、自らの行動が将来どのような結果をもたらすか適切な判断ができない、トラウマから生じた感情をコントロールすることができないなど、若者特有の性質が多分に見受けられる」と記した。また著名人らも公に支持を表明しており、その中の1人、ジョン・ウォーターズは事件後40年の節目のタイミングで、彼女を釈放するべき理由を5部構成のエッセイにしたためた。

だがラビアンカ夫妻の遺族は心動かされなかった。2016年、仮釈放審議会がヴァン・ホーテン受刑者の釈放を勧告した後(その後、当時のジェリー・ブラウン州知事によって却下された)、故レノ・ラビアンカの娘コリー・ラビアンカ氏はロサンゼルス・タイムズ紙に対し、仮釈放審議会の決定に強く抗議すると述べた。

「私たちはみな、自分の行いに責任を持たなくてはなりません」と、当時の彼女のコメント。「私たちにできることは、他の人間に罪を働いた人間を刑務所に閉じ込めておくことしかないのです」

Translated by Akiko Kato

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