私立恵比寿中学の「パフォーマンス」の変化を本人たちが語る

私立恵比寿中学(Courtesy of SME Records)

私立恵比寿中学(エビ中)はメンバーの入れ替わりがあるアイドルグループだ。約1年半前に1人が転校(グループを脱退すること)して以降、追加メンバーを迎えることなく、6人での活動を続けている。

一般的に、グループの人数が減ることによる影響はネガティブな面が大きいが、それはエビ中には当てはまらない。最近、自分が彼女たちのライブを観ていて感じるのは、<残された自分たちに何ができるか>ということではなく、<今いるメンバーでできるベストは何か>を常に探り、志半ばで卒業してしまったメンバーの思いを胸に、しっかり結果を残しているということ。私立恵比寿中学というフォーマットに自分たちを押し込めるのではなく、グループの未来を自らの手で切り開こうとしているのだ。しかも、笑顔で。

その結果、現在のエビ中は、パフォーマンス面では過去イチではないかと思うぐらい素晴らしいステージを展開している。元々、エビ中には数多くの名曲が存在する。たむらぱん、池田貴史(レキシ)、TAKUYAなど豪華な作家陣による楽曲は、アイドルシーンの枠を超えてより多くの音楽ファンの心を掴み得るものが非常に多い。

今は高い歌唱力を持つアイドルは多いし、良質なアイドル楽曲もたくさんある。そういった点だけみれば、エビ中のような存在は決して珍しくないのかもしれない。では、何が彼女たちとほかのアイドルとの違いを生み出しているかというと、各メンバーのキャラクターが存分に開放されたライブパフォーマンスと、これまでに数々の苦難をともにしてきた中で自然と育まれた、家族のような団結力なんだと思う。これが私立恵比寿中学という存在をより特別なものにし、ライブ会場をファンの笑顔で満たすのだ。

今回は、新曲「トレンディガール」の話だけでなく、メンバーが思う各メンバーのパフォーマンスの変化や、最近自分たちで行うようになったというフェスでのセットリスト決めの苦労などについて根掘り葉掘り聞いてみた。そして、改めて思った。今のエビ中は、しなやかで、優しくて、笑えて、強い。

―まだ4月ですが(インタビューが行われたのは4月中旬)、今年のエビ中はかなり忙しくないですか?

星名美怜(以下、星名) ツアーが始まったし、ありがたいことに毎日色々やらせていただいてます。

―ツアー以外にも、今年はドラマ「神ちゅーんず ~鳴らせ!DTM女子~」の収録、前夜祭(4月16日に行われたイベント「エビ展の前夜祭 ~開校10周年をお祝いする夜~」)、MUSiCフェス、対バン(対バンシリーズ「私立恵比寿中学合同合唱コンクール」)があって、ライブに至ってはそれぞれ内容が変わってくるという。ライブの構成を頭に入れるだけでも大変なんじゃ?

全員 大変ですよ!

―そうですよね。

星名 でも、去年のクリスマス大学芸会(12月23日から25日にかけて幕張メッセイベントホールにて開催されたクリスマスライブ)は3日間それぞれセットリストが違ったので、それを経てからは慣れたというか。

安本彩花(以下、安本) エビ中ってメンバーチェンジがたびたびあったり、変化の多いグループで、そういう意味ではその道のプロだし、「どんとこい!」っていう感じではありますね(笑)。

真山りか(以下、真山) 人数が変わるたびにフォーメーションが変わるしね。

中山莉子(以下、中山) でも、頭に入れるのも上手くなったけど、忘れるのも上手くなっちゃって(笑)。

真山 そうだね。ところてんみたいな感じ(笑)。

小林歌穂(以下、小林) すぐに忘れちゃうよね。

―でも忘れることも大事ですよね。新しく覚えたこととごちゃごちゃになってしまいそうだし。

柏木ひなた(以下、柏木) でも、忘れなくていいことも忘れちゃったりして(笑)。

真山 ヤス(安本)は食べたご飯のことも覚えてないんですよ。

星名 そうなんですよ。「どこどこの県で食べたアレ、美味しかったよね!」「私、食べてない」「いやいや、いたから!」みたいな(笑)。

安本 その時にあった出来事も含めて飛んで行っちゃうんですよ(笑)。

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