ボブ・ディラン「はげしい雨が降る」75年の未公開ライブ映像が公開

Netflix制作のマーティン・スコセッシのドキュメンタリー映画『ローリング・サンダー・レヴュー:マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説』

『ローリング・サンダー・レヴュー』で初公開されたボブ・ディランが演奏する「はげしい雨が降る」の未公開クリップが公開された。『フリーホイーリング・ボブ・ディラン』収録の同曲の演奏が録画されたのは1975年のローリング・サンダー・レヴュー・ツアー中のとある会場だった。

マーティン・スコセッシのドキュメンタリー映画『ローリング・サンダー・レヴュー:マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説』が6月12日にNetflixでいよいよ公開されるが、現在ディランが「はげしい雨が降る」を演奏する予告編が公開されている。このクリップはこれまで一度も公開されていない映像で、今回のドキュメンタリー映画で使用されている多数の未公開映像のサンプルといえる。ちなみに今作『ローリング・サンダー・レヴュー〜』は、2005年に同監督が製作したディランのドキュメンタリー映画『ノー・ディレクション・ホーム』のフォローアップ作品である。

ローリング・サンダー・レヴュー自体は、1975年後半にディランがさまざまなアーティストたちを招集してアメリカ東海岸とカナダで行ったツアーで、翌年初めに全米でのツアーを行っているのだが、このツアーの記録映像はきちんと裏付けがとられたものである。コロラド州フォートコリンズで行われたツアー最後から二番目のライブは、同年後半にNBCで放送された特別番組「Hard Rain TV(原題)」のために録画されていた。また同年のライブ音源を収録したライブアルバム『激しい雨』がある一方で、ブートレッグシリーズの2002年リリースの作品中で同ツアー前半のベストパフォーマンスが初お披露目されている。さらに、同ツアー中にディランと脚本家サム・シェパードが『レナルド&クララ』というシュールなアートフィルムを撮影していた。現在この作品は行方不明となっている。

ドキュメンタリー映画『ローリング・サンダー・レヴュー〜』は、ディランや当時のツアーメイトのジョアン・バエズ、ランブリン・ジャック・エリオット、ロジャー・マッギンらの新たなインタビューと当時の記録映像をミックスして、新たな視点でこのツアーに焦点を当えることに成功している。この作品の公開に併せて、CD/DVD14枚組のボックスセット『ローリング・サンダー・レヴュー:1975年の記録』が6月7日にリリースされた。このボックスセットには、これまでファンコミュニティにもフォーラムにも出ていない完全初公開のリハーサル映像を含む同ツアー5公演の全記録を収録したDVDが入っている。

Translated by Miki Nakayama

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