ジョニー・デップ、デヴィッド・ボウイの「ヒーローズ」をカバー

ハリウッド・ヴァンパイアーズのジョニー・デップ

ジョニー・デップ率いるハリウッド・ヴァンパイアーズが、デヴィッド・ボウイが実際にレコーディングを行ったベルリンの名門ハンザ・スタジオにて「ヒーローズ」をカバー。同作は6月21日リリース予定のニューアルバム『Rise』に収録予定だ。

ジョニー・デップ、アリス・クーパー、エアロスミスのギタリストであるジョー・ペリーによるスーパーバンド、ハリウッド・ヴァンパイアーズは2018年にベルリンのハンザ・スタジオに集結し、デヴィッド・ボウイの大ヒット曲のひとつ「ヒーローズ」のカバーのレコーディングを行った。ハンザ・スタジオといえば、やせっぽちの白き公爵ことボウイ本人が40年ほど前に「ヒーローズ」のレコーディングを行った場所だ。

ハリウッド・ヴァンパイアーズのセッション模様が撮影されたのは2018年6月15日のことだ。映像では、1977年の夏にギタリストのロバート・フリップが奏でたような美しいフィードバックの調べを再現しようと、スタジオでペリーがEBow(エナジーボウ)を手にするところにクーパーが登場する。演奏がはじまると、後ろで束ねた髪に羽をつけたモヒカンヘアのデップが「I…」という「ヒーローズ」を象徴する出だしを歌いはじめる。熱唱するデップの額を汗がつたうと、映像はバンドのライヴやツアーバスなどのシーンに切り替わる。スタジオではデップの隣に恭しく控えていたクーパーも、ライヴではマラカスで加勢している。

もともとはクーパーの「死んじまった酔っ払いの友たち」にオマージュを捧げるためのコピーバンドとして始動したハリウッド・ヴァンパイアーズは、アルバム『ライズ』を完成させられるまでオリジナル曲のレパートリーを増やしていった。「ヒーローズ」は新アルバムのなかの数少ないカバー曲のひとつだ。バンドは4月に「Who’s Laughing Now」、5月に「The Boogieman Surprise」と、オリジナル曲をリリースしてきた。

カバー映像を初公開したヘヴィーメタル・ロック専門の音楽ニュースサイトBlabbermouthは、アリス・クーパーのドラマーであるグレン・ソーベル、ザ・カルトのベーシストであるクリス・ワイズ、エアロスミスのキーボーディストであるバック・ジョンソンも『ライズ』に参加した、と報じた。新アルバムは、クーパーのギタリストであり、ハリウッド・ヴァンパイアーズでもギターを演奏しているトミー・ヘンリクセンとの共同プロデュースだ。

ボウイがブライアン・イーノとともに「ヒーローズ」を作曲し、レコーディングしたのは1977年の7月から8月のことだった。同作の歌詞は、音楽プロデューサーのトニー・ヴィスコンティとバックコーラス歌手のアントニア・マースがベルリンの壁の前でキスを交わす姿からボウイが着想を得た、と言われ続けてきた。マースと恋愛関係にあったのは事実だが、ボウイは恋人たちの実名を決して明かさなかった、とヴィスコンティは言った。「ベルリンのなかでも、どうしてあえて“壁”の監視塔の下のベンチをデートの場所に選んだのだろう? と思ったんだ」とボウイはインスピレーション源について語った。

Translated by Miki Nakayama

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE