米オークランド、マジックマッシュルームほか天然の幻覚剤を非犯罪化

カリフォルニアでは幻覚作用のあるキノコはいまも違法だが、刑罰の対象にはならない。(Photo by Richard Vogel/AP/Shutterstock)

AP通信によると、米カリフォルニア州オークランドは、幻覚作用のあるキノコの所有および使用を非犯罪化した。アメリカで2番目の州となる。

オークランド市議会は先週4日、決議案を全会一致で可決。数週間前には、デンバーでも同様の法案が僅差で承認されたばかりだった。決議ではシロシビンを含むキノコの他、アヤフアスカやペヨーテ、DMTなど植物由来の幻覚剤も非犯罪化の対象としている。LSDやMDMAなどの合成幻覚剤は今後も違法のまま。

同様に、幻覚キノコやその他天然幻覚剤も、カリフォルニア州条例および連邦法では変わらず違法となる。オークランドの決議でも、幻覚キノコの売買や配布は合法化されない。

非犯罪化が承認決定にいたったのは、幻覚剤によって鬱や薬物依存、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を克服することができたという人々がオークランド市議会で証言したためと言われる。だがCBSによれば、決議案には注意を喚起するいくつかの修正点が加えられた。最終的な決議では幻覚剤が誰でも使用できるわけではないと定めたうえで、重度の鬱またはPTSDを抱える場合でもまずは専門家のサポートに頼ること、それでも幻覚剤を使う場合は友人の同席のもとで使用することと定めている。

オークランド市のマジックマッシュルーム非犯罪化はDecriminalize Nature Oaklandという団体が先頭となって呼びかけ、民主党のノエル・ギャロ市議会議員が決議案を提出した。ギャロ議員いわく、非犯罪化によって警察はより重要な犯罪に集中することができるだろうと述べた。また、彼の実の祖母が民間療法として、幻覚作用のあるものも含む植物を使ってさまざまな病気を治していたとも語った。

「メキシコ系の地域で育った人間にとっては、それが薬でした」と、彼はABC系列の地元TV局WLOSに語った。「近所にWalgreens(アメリカのドラッグストアチェーン店)なんてありませんでしたし、麻薬を買うお金もありませんでした。これらは私たちのコミュニティで何千年もずっと伝えられてきた植物で、いまも使い続けています」

オークランドとデンバーでの非犯罪化可決と並んで、オレゴン州でも現在、2020年の大統領選までに非犯罪化を議会投票にかけようと、州規模で署名運動が行われている。2019年、同様の運動がカリフォルニア州でも起こったが、必要な署名数の獲得には至らなかった。運動の主催者は、来年の議会投票を目指している。

Translated by Akiko Kato

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