モー娘。ライブの舞台裏 舞台監督が考える「エリア」の維持

モーニング娘。’19の譜久村聖(中央)(©UP-FRONT PROMOTION)

20周年イヤーを駆け抜けてきたモーニング娘。’19が、令和初となるシングル「人生Blues / 青春Night」をリリースした。Rolling Stone Japan vol.06に掲載された特集「スタッフとメンバーが初めて明かすモーニング娘。’19 ライブの舞台裏」の中から、今回は舞台監督・弘田輝美 (ワンポイント)氏の記事をお届けする。

モーニング娘。のコンサートで舞台監督を務める弘田氏の仕事は多岐にわたる。コンサートの進行はもちろん、公演内容に関する段取り、現場での設営や撤去に関する各作業のタイムキープ、安全確認など。今回はひなフェスの準備のため、対面でのインタビューは残念ながら叶わなかったが、忙しい合間を縫ってアンケートに答えてもらった。彼の回答からは舞監ならではの視点を感じることができる。

ーモーニング娘。の舞台監督をする上で難しいことはなんですか?

弘田 メンバーの人数が多く、かつ細かいフォーメーションが大事な曲もたくさんあるので各ホールでアクティングエリアをキープすることや、ステージの出ハケは急ぎになることが多いので、安全な動線の確保などです。厳しいときにはメンバーに事前に認識してもらい協力してもらっています。

ーヒールを履いているメンバーが階段でパフォーマンスをすることがあったり、気を使う場面が多いと思います。普段のコンサートではどういったところに気を配っていますか?

弘田 メンバーが安全に動けるようにエリアを確保します。本番前にはメンバーと本日の注意事項など確認をしてから本番に挑みます。

ー舞台監督として、これまでのコンサートで印象に残っている出来事は?

弘田 2017年の春ツアー岡山公演延期。13人中3人がインフルエンザで欠席し、その3人がメインヴォーカルの曲があったりして、やむなく中止になりました。本番2時間ほど前の決定で、メンバーが会場に集まったお客様の前に出て謝罪。「万全の状態で必ずもう一度やる」としっかりと説明していました。まだほぼ10代だった彼女たちに強い自覚、意識を感じました。

ー今のモーニング娘。’19の強みは?

弘田 チームワーク。各々自分の考えを持っていて、ステージでの動きなどしっかり話し合って決めている。難しいフォーメーションの曲が増え出した頃からチームワークも増したように思います。

ーライブの進行をしっかり意識しているメンバーは誰ですか? どういうところからそれがわかりますか? 逆に自由奔放なメンバーは?

弘田 基本みんな理解して考えて動いてますが、流れに関して石田亜佑美、小田さくらなどは「こうしたほうがいいのでは?」と提案することが多く、みんなで考えて、譜久村聖が「じゃあ、こうしよう」と最後にまとめているイメージです。逆に佐藤優樹あたりは「こうしたい!」と自分の考えを発信します。

ー別の関係者の取材で聞きましたが、卒業を発表したメンバーはステージでの輝きがより増すそうですね。弘田さんがメンバーの変化を感じるのはどういうときですか?

弘田 新メンバー加入後の1期上の先輩は後輩に教える立場になり、成長スピードが増します。メンバー卒業後の近しいメンバーも同様に自分が引っ張る気持ちが強く出てきます。

ー弘田さんが将来いつかモーニング娘。’19でやってみたいと思っているステージはどんなものですか?

弘田 モーニング娘。のOG含む全員でステージに立つ姿を見てみたいです。夢です。

ー舞台監督の目線から見て、モーニング娘。’19以外で刺激を受けるアーティストのステージは何かありますか?

弘田 特殊装置をたくさん使用するものも楽しいですが、ホール規模で特に演出なく楽曲のみで勝負するライブなどが好きです。良い音とそれに合った照明で楽曲によって空気が変わる感じがライブだなと思います。

ー舞台監督のお仕事で一番の醍醐味というか、「この仕事をしていて良かったなぁ」と感じるのはどういうときですか?

弘田 コンサートが終わり、会場から出るお客様を卓席から見送るとき、「楽しかった」と会話しながら出て行くのを見ているとうれしくなります。






<INFORMATION>

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