モー娘。ライブの舞台裏 YOSHIKO先生が語る演出とパフォーマンスの関係性

ーコンサートにおけるYOSHIKO先生の役割を教えていただけますか?

YOSHIKO 基本的には、セットリストに合わせたステージングというものを作っていくんですけど、元々振りがついてる曲を上手くつないでスムーズに次の曲に移れるようにしたり、「この曲はこの振りをカットして、お客さんをみんなで煽ったり一緒にクラップをしたりしましょう」っていうアイデアを出して全体の流れを作ります。その中でメンバーからの「ここはどうしても体力的にキツい」とか、「ここでもっとお客さんを煽りたい」っていう意見を取り入れることもあります。

ー今やモーニング娘。を語る上で欠かせないフォーメーションダンスは、元々はうまく踊れない子をフォローするために生み出されたそうですが、ここまでハマると思ってましたか?

YOSHIKO 思ってなかったです。でも、フォーメーションダンスをやるようになってからメンバーの「揃えよう」っていう意識がものすごく高まりましたね。こっちから何も言わなくても、「(フォーメーションが)ちょっと汚い」ってメンバー同士で指摘し合ったり。

ー視野が広くなった。

YOSHIKO ちゃんと相手を見るようになりましたね。今まではリハーサルスタジオで練習してても、鏡を見ながら「今日はこういう顔で」みたいにみんな自分のことしか見てなかったんです。だけど今は「それだと自分たちが損をする」っていう意識が働くようになったと思います。鏡を見てるときも自分だけじゃなくて、周りを見てる。その結果、団結力がすごく高まって、先輩後輩関係なしに遠慮しないでちゃんと注意し合うようになってきましたね。

ー全員で揃えることが結果的に自分を高めることになるということを理解したんですね。YOSHIKO先生が考える今のモーニング娘。’19の強さってどういうところだと思いますか?

YOSHIKO 今お話したように、グループとしての団結力の高さと、あとはプロ意識の高さ。ぶっちゃけ、コンサートってしんどいんです。20何曲という曲数を約2時間かけてやるなかで、どうしても「先生、ちょっと膝が痛いんで、今日はちょっと(力を)抜いてもいいですか」っていう子が出てくるんですよ。こっちもしんどいのはわかるし、「いいよ」って言うんですけど、ステージに出たら絶対手を抜かないんです。そういうのを見ると「みんなプロだな」って。

ーたとえ怪我がないとしても、昼夜公演は体力的にもかなりタフだと思います。そのあたりのコントロールはどうしてるんですか?

YOSHIKO お客さんの前に出ると、みんなが盛り上げてくれるからテンション上がっちゃって、声を潰すような煽り方をしたりして無茶をしちゃうんですけど、「そんなことやってたらもたないよ」ってよく注意されてるし、「ちゃんとペース配分しなさい」っていう話は毎回出るんです。だけどやっぱりスイッチが入ちゃうんですよね。抑えようと思ってても、結局はフルパワーでやってる。だから、お客さんに助けられてるっていうのはありますよね。お客さんが声を出して応援してくれるから、疲れててもやっちゃえるっていう。



RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE