T-BOLAN23年ぶりの全国ツアーファイナルレポート 4人の絆と終わらない旅

23年ぶりの全国ツアーファイナル公演を行なったT-BOLAN(Photo ©T-BOLAN)

T-BOLANが、2019年6月15日、東京・昭和女子大学 人見記念講堂にて、『T-BOLAN 30th Anniversary LIVE「the Best」~励~』ツアーファイナルを開催。鳴り止まない大声援に応えて予定外のWアンコールを行うなど、ファイナルに相応しい大団円となった。同ライブの様子を独自レポートにてお届けする。

解散、再結成、活動休止を経て、2017年に再始動したT-BOLAN。本格的な全国ツアーを行うのは23年振りということもあり、各地で大いに盛り上がったツアーの最終地点となった昭和女子大学 人見記念講堂には、あいにくの雨の中、多くのファンが集結した。

ステージ上に掲げられた紗幕には、ツアータイトルにも使われている「励」の文字が大きく掲げられていた。定刻になりカラフルなコラージュによるオープニング映像が流れ、ステージの幕が下りると、ドラムの力強いビートと共に、メンバーが姿を現した。森友嵐士(Vo)、五味孝氏(Gt)、青木和義(Dr)の3人に加えて、サポートベースの人時(ex.黒夢)とコーラスの坪倉唯子(ex. B.B.クイーンズ)の5人だ。尚、正式メンバーの上野博文(Ba)は後半からの参加となった。



白いロングジャケットにサングラス姿の森友が歌う「Only Lonely Crazy Heart」に合わせて、客席の一部ではペンライトが振られ、サビに向けて上昇するサウンドに気分が高ぶってくる。1階席はオープニングから総立ちだ(そして、最後まで総立ちのままだった)。2曲目では早くも代表曲の一つであるロッカバラード「Bye For Now」を惜しげもなく披露した。「オーライ! 逢いたかったぜ東京! ようこそ! 23年振りのツアー、あっという間だった。だけど、これからもずっと続いていくから、そこんとこヨロシク!」とMCでキメる森友。ツアーでも度々やっていたらしい、「エンジョイ!」「イエー!」とのコール&レスポンスから、これまた代表曲「じれったい愛」へと続いた。曲が始まるとステージ両サイドから、「T」と書かれたTシャツを着た人物が1人ずつ登場。フジテレビ「ENGEIグランドスラム」で競演したチョコレートプラネットとの「TT T-BOLANの『じれっT愛』」を模しているようだ。サビの“じれったい”の“た(TA)”に合わせてTのポーズを決めるニセTT兄弟。きっと、T-BOLANのTにもかかっているのだろう。名曲とお笑いネタという思わぬシュールな光景に戸惑う筆者をよそに、お客さんたちは両手でTの字を作って楽しんでいた。



中盤、14年間歌うことができなくなった自らを“歌う木”に例えたストーリー仕立てのMCから、新曲「京恋唄」を初披露。和を感じさせるピアノの旋律からドラマティックな展開を見せる力のこもったバラードだった。そして、「俺たちの始まりの曲です」との言葉から、森友のハープ、五味のギターによるシンプルな演奏で歌われた「Hold On My Beat」。森友と五味がワンマイクで歌う姿がバンドの絆を感じさせ、この日のハイライトの1つとなる名演となった。「マリア」のアコースティックバージョンに続き、五味がギターで「Amazing Grace(アメイジンググレイス)」のメロディをソロプレイ。演奏が終わると、1階から大きなどよめきが。ピンスポットの先には、客席に降り立った森友の姿があった。その後、バンドの演奏が流れる中、5分~10分程度はあっただろうか、ハイタッチや握手をしながら、ゆっくりと客席をくまなく歩き、観客と交流をしてからステージへ。「あこがれていた大人になりたくて」をサイケデリックな映像と共に届け、一種異様な空間を創り上げた。

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