レッド・ツェッペリンの成功から見る、音楽レーベルのストリーミング活用法

レコード会社は、レッド・ツェッペリンをはじめとする往年のアーティストのヒット曲から再び利益を得ようとしているIan Dickson/REX/Shutterstock


Shazamといえば、レコード会社もまた「あの曲は何だったろう」的な市場における競争をますます激化させ、テレビ番組で流れた曲をすぐにまた聴き返したくなる人々を奪い合っている。「音楽ファンと音楽業界は、我々のチャートに注目している。なぜなら各アーティストによるShazamは、音楽とファンとをつなぐピュアなコネクションで、今この瞬間の音楽の時代精神を表しているからだ」とApple MusicでShazam担当シニアディレクターを務めるジェン・ウォルシュは、ローリングストーン誌とのメールインタビューに答えている。さらにウォルシュ曰く、古い楽曲が今の時代精神に則った形で使用されれば、リリース当時よりも高い注目を集められるという。例えば、テレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)』のあるエピソードのエンドクレジットと共にフローレンス・アンド・ザ・マシーンの『Jenny of Oldstones』が流れると、24時間で30万人がShazamを通じて同局をリクエストした。

映画、テレビ、広告に音楽を付ける際に発生するシンクロ権は、新たに節操のない世界を築いている。積極的に映画スタジオやプロデューサーへ楽曲を売り込んでいるレコードレーベルもある。タイミングの良いところで流れる楽曲は、一夜にして莫大なストリーミングの利益を生むからだ。「映画、テレビ、広告で流れる楽曲は人々の耳に残る。特定のシーンで流れる音楽のパワーはとても重要だ」と、音楽著作権を専門にする弁護士のエリック・ジェイコブソンはローリングストーン誌に語った。「ファイナンス面から見ると、もはや稼働しないと思われた音楽から新たに利益や収入を得られることは、とても大切だ。」

現代のリスナーは、もはや楽曲のリリース時期など気にしない。唯一気にするのはサウンドだけだ。Shazamによると、リゾが2017年にリリースした『Truth Hurts』は、Netflixの音楽をふんだんに使った作品『サムワン・グレート~輝く人に~(Someone Great)』にフィーチャーされた後、Shazamのチャートで1位を獲得した。一方で彼女の最新シングル『Juice』は52位に留まっている。ティファニーによる1987年のカヴァー曲『I Think We’re Alone Now』は、Netflixが2019年に配信したシリーズ『アンブレラ・アカデミー(The Umbrella Academy)』に使用されたこともあり、ユーザーの42%がアクセスするというShazam史上最高の数字を記録した。また1940年代〜70年代のいくつかの楽曲も、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム(Avengers: Endgame)』を通じて人々の耳に流れ込み、Shazamのグローバルチャートにランクインしている。

Apple Music、Amazon Music、Spotifyのようなサービスは、音楽を楽しむ最もポピュラーな方法となり、各サービスはユーザー数を増やし続けている。ストリーミングがリードする今の時代は、「文字通り急展開する」機会をもたらす、とフレイザー=ハーディングは言う。2018年、彼のチームのあるメンバーが日曜の夜に映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(Avengers: Infinity War)』を鑑賞中に、ザ・スピナーズのほとんど知られていない1976年の楽曲『Rubberband Man』が使われているのに気づいた。ワーナーは早速「月曜のランチタイム」までに、スペシャルプレイリストの作成、映画スタジオとの連携、楽曲にまつわるマーケティング戦略全体の見直しに取り掛かった。

カルチャー的記憶の急速なペースには、大きな負の一面を伴う。「時間の流れは以前よりもさらに早くなっている」とフレイザー=ハーディングは言う。「対応が遅れればチャンスを逃し、追い出されてしまうのだ」。

Translated by Smokva Tokyo

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