サマソニ生みの親が語る、静岡愛と人生の話「誰にでもチャンスはある」

フェスティバルを作った人間としても、もっと日本を出て海外にチャレンジしないといけないなって使命感はある

―焼津に住んでいた時、西友の屋上から町を見て“ここでは絶対に終わりたくない”と思ったところから、SUMMER SONICという巨大フェスを20年やってきて今がある。自分のことを改めて評価するとどうですか?


清水:とにかく出来過ぎだよね(笑)。なんでもない奴が25歳でクリマンを初めて、35歳でSUMMER SONICを初めてそろそろ会社も30年になるから。

―あはは。

清水:高校卒業まで焼津で何の進路も考えずにうだうだしていたし、東京でもコネも学歴も実力もなくあがいていた奴が日本で3本の指に入るようなフェスを作って、なおかつ海外の魅力的なアーティスト達と毎日仕事ができるようになっている。親父が言った言葉じゃないけど、実際にいろんな国を飛び回って交渉をするような人間になって、その頃から考えたら出来過ぎな人生だよね。自分でも“何でこうなったんだろう?”とたまに思うけど、人の何倍も努力をしたかって言われたら自分ではそう思わないんだよね。流れのチャンスを掴みながら、やれることをやってきただけ。英語もだめだし、完璧な交渉術を学んだわけでもないけれどなぜか信用してもらえた。だからいつも言っているのは、ある意味誰にでもチャンスはあるっていう希望にはなれてると思う。時代が違うから全てが同じようにいくわけじゃないけど、ある程度の努力とチャンスがあれば誰でも夢に近づけるよって、今の自分だったら若い人たちにアドバイスするね。

―サマソニは20周年3日間開催で、来年はお休みして、その次からの構想はあるんでしょうか。先ほどいつもフェスのことを考えているとおっしゃっていましたけど。

清水:来年は東京オリンピックで休まざるを得ないから、さらに次の30年に向けて考える時間が十分ある。それにアジア進出を絶えず考えているので、ちょうど空く間をアジアにチャレンジする時間にしたいと思っているよ。とにかく『SUMMER SONIC』っていう20年続いたブランドをなくしたくないし、これだけアジアに知られているフェスって日本にもそんなにないからね。だとしたら、戦える時に戦いたいなと。

日本の中だけで満足するってことが音楽業界的には多い。実際にK-POPは世界に進出して、日本のスポーツ選手もみんな世界に羽ばたいている。エンターテインメントで言うと音楽が世界から取り残されている気がするので、フェスティバルを作った人間としても、もっと日本を出て海外にチャレンジしないといけないなって使命感はあるね。あとは代官山で運営しているSpace Odd (ライブハウス)とCafe Habana(レストラン)から次のアーティストや食文化を生めたらいいなと日々クバーノ(サンドイッチ)を食べている(笑)。

Edited by Motomi Mizoguchi






SUMMER SONIC 2019
2019年8月16日(金)、8月17日(土)、8月18日(日)
東京:ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
大阪:舞洲SONICPARK(舞洲スポーツアイランド)
http://www.summersonic.com/2019/

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