ロックとファッション、デザイナーが語るアーティストのスタイル

ジョン・バルベイトス、2013年発行の処女作『Rock in Fashion』より、デヴィッド・ボウイとミック・ロック(Courtesy John Varvatos)

ジミ・ヘンドリックス、ロバート・プラントからアクセル・ローズまでーー。デザイナー、ジョン・バルベイトスによる2013年発行の『Rock in Fashion』から、アーティストのスタイルの変遷を振り返る。

「1950年代以来、音楽とファッションは切っても切り離せない関係にある」と語るのは、ファッションデザイナーのジョン・バルベイトス。2013年発行の処女作『Rock in Fashion』(ハーパーデザイン社、2013年)を執筆した背景について、当時ローリングストーン誌に語ってくれた。「きっかけはエルヴィス・プレスリーや、ジェームズ・ディーンのようなポップアイコンだった。それがMTV時代とともに爆発的に広がった。インターネット時代のいま、音楽とファッションは瞬時に作用し合うんだ」。

同書の共同執筆者であるホリー・ジョージ=ウォーレンは、ビートルズからマイ・モーニング・ジャケットにいたるまでの様々なアーティストの写真(そのうちのいくつかは未発表のもの)を通じて音楽とファッションの関係を探求した。同書はアーティストのスタイルをヘアスタイル、メガネ(またはサングラス)、帽子、スカーフ、シューズ、テーラーリング、ジーンズ、ジャケットをはじめとする様々なカテゴリーに分類し、一時代のミュージシャンのスタイルが10年後のロッカーたちに影響を与えた理由を探る。

同書のインスピレーションは、バルベイトスがカルヴァン・クラインやラルフ・ローレンなどのブランドを経て、2000年に自らの名を冠するブランドを立ち上げる以前から取り組んでいた、自らのデザインを記したスタイルブックに由来する。ロックスターの写真をただまとめるのではなく、バルベイトスは音楽とファッションの歴史に対する考察や、ランウェイショーとシーズンごとのコレクションに対して自らの哲学を盛り込んだ。「文化やずばりデザインのインスピレーション源であれ、この本では、私に影響を与えた物事を取り上げた」とバルベイトスは解説した。

バルベイトスは、自らのファッションにとってもっとも重要だった時期は、自己形成期でもある1970年代初頭だったと語る。バルベイトスは、ザ・ローリング・ストーンズ、デヴィッド・ボウイ、ザ・フー、レッド・ツェッペリン、ジミ・ヘンドリックスが自分にとってのインスピレーション源であったと言う。「1960年代以降、ファッションはもっと面白い方向へと進んでいった。レッド・・ツェッペリンのようなバンドがテーラーメイドのスーツを着たんだ」と述べた。「再びドレスアップすることがおしゃれな時代だった。それは、父親の時代のような着飾り方とは違う。その頃のドレスアップは、不完全でありながらも完璧だった。私のブランドにとっては、それがすべてだ。」

バルベイトスの視点から音楽とファッションの関係性を知るため、ローリングストーン誌はデザイナーにインタビューを行い、『Rock in Fashion』から写真をいくつかピックアップしてその理由を解説してもらった。ルー・リードやスコット・ウェイランドなどのアーティストがどのように流行にインパクトを与えたか、写真を見ながら、紐解いてみよう。

Translated by Shoko Natori

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