キューブリック没後20年に合わせ、2本の記録映画がカップリング上映

『2001年宇宙の旅』を撮影中のスタンリー・キューブリック監督(Photo by Keith Hamshere/Getty Images)

2019年で没後20年を迎えたスタンリー・キューブリック監督。その知られざるエピソードや制作背景をまったく異なるアプローチから描いたドキュメンタリー映画『キューブリックに愛された男』と、『キューブリックに魅せられた男』がカップリング上映されることになった。

アレックス・インファセッリ監督による『キューブリックに愛された男』は、キューブリックの専属ドライバーであったエミリオ・アレッサンドロの目を通して、奇妙な出会いや神経質なキューブリックの生活様式、動物に囲まれ穏やかな日常など、これまで描かれなかったキューブリックの素顔が浮かび上がるハートフルな作品だ。日本オリジナルのビジュアルは、キューブリックの代表作のひとつ『博士の異常な愛情』のビジュアルをオマージュし、後姿のキューブリックとエミリオ、そして爆撃機の代わりに大量のメモ書きが空を覆いつくすコミカルなデザインに仕上がった。

一方、トニー・ジエラ監督の『キューブリックに魅せられた男』は、『バリー・リンドン』の出演をきっかけに俳優からキューブリックのアシスタントに転向したレオン・ヴィターリが、監督の雑事に追われていく過酷な日々を、ライアン・オニール、R・リー・アーメイ、マシュー・モディーンら出演者を始めとする映画人の証言と共に描く。日本オリジナルのビジュアルは『バリー・リンドン』のビジュアルをオマージュし、主人公バリーと本作のレオン・ヴィターリのイメージが重なり、キューブリックに踏まれているようなデザインとなっている。

没後20年のメモリアル・イヤーに相応しく、2019年4月にはロンドンで大規模な「キューブリック展」が開催。5月のカンヌ映画祭ではアルフォンソ・キュアロン監修による4K版『シャイニング』の上映が大きな話題となり、11月にはその『シャイニング』の40年ぶりの続編である『ドクター・スリープ』が世界公開を控えるキューブリック。その偏執狂的な仕事からプライベートまで踏み込んだ2作品は、11月1日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開。



<映画情報>

『キューブリックに愛された男』ビジュアル

『キューブリックに愛された男』
2019年11月1日(金)からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開
監督:アレックス・インファセッリ
出演:エミリオ・ダレッサンドロ/ジャネット・ウールモア/クライヴ・リシュ
2016年/イタリア/カラー/82分/ビスタサイズ/5.1ch
©2016 Kinetica-Lock and Valentine

『キューブリックに魅せられた男』ビジュアル

『キューブリックに魅せられた男』
2019年11月1日(金)からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開
監督・撮影・編集:トニー・ジエラ
出演:レオン・ヴィターリ/ライアン・オニール/マシュー・モディーン/R・リー・アーメイ/ステラン・スカルスガルド/ダニー・ロイド
2017年/アメリカ/カラー/94分/ビスタサイズ/5.1ch
©2017True Studio Media

Rolling Stone Japan 編集部

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