「パンク」史上最高のアルバム40選

37位 ブリンク182『エニマ・オブ・ザ・ステイト』(1999年)


ブリンク182のサードアルバムは、グリーン・デイの『ドゥーキー』を大胆でキャッチーなジョークへと仕立て上げたような作品だ。ポップパンクの金字塔となった本作は、発売から実に70週間に渡ってチャートに居座り続けた。高慢な批評家たちからはたちの悪い冗談だとこき下ろされながらも、彼らは驚くべきタフさをもって世代を超えたファンを獲得してみせた。本作におけるより洗練された楽曲群には、ディセンデンツやミスフィッツといった大御所たちからの影響が垣間見える。






36位 クラス『Penis Envy』(1981年)


イギリス発の政治的アナーキスト集団クラスは、賞賛に価する厳格さをもってその教義を実践してみせた。今日でも健在のとある集合住宅で結成されたクラスは、自主レーベルCrass Recordsの運営から、独自のマルチメディア・プレゼンテーションのデザインまで、あらゆることを自分たちだけでこなした。アンチ性差別主義を掲げた『Penis Envy』は、彼らの政治思想を裏付けるラディカルなマニフェストだ。






35位 フガジ『13 Songs』(1989年)


元マイナー・スレットのメンバーであり、エンブレイスのリーダーだったイアン・マッケイは、新たなプロジェクトで芸術とさえ呼べるヴィジョンを提示してみせた。彼が仲間たちと結成したフガジは、体が無意識のうちに反応するポスト・ハードコア・サウンドを確立し、「Waiting Room」はアメリカにおけるパンクカラオケの超定番となった。社会的勢力と呼べるほどの影響力を誇ったフガジは、リードシンガーのガイ・ピッチオットが唱えた「『ノー』の力」を徹底的に実践し、チケット代を5ドルに固定していたコンサートでは年齢制限を設けず、グッズのライセンス契約も一切結ばなかった(その結果「This Is Not a Fugazi T-Shirt」とプリントされたブートレグのTシャツがファンの間で出回ることになった)。




Translated by Masaaki Yoshida

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