「パンク」史上最高のアルバム40選

22位 ビキニ・キル『The Singles』(1998年)


1991年に処女作「Revolution Girl Style Now」をカセットのみでリリースしたビキニ・キルは、90年代に自らが牽引したライオットガール・ムーブメントによって、掲げた理想を実現してみせた。本シングル曲集のハイライトである「レベル・ガール」では、同ムーブメントのゴッドマザーたるジョーン・ジェットがギターとボーカルで参加している。シンガーのキャスリーン・ハンナが「彼女のキスは革命の味」と歌った時、無数の少女たちが男性上位社会のバリケードを打ち破るべく立ち上がった。






21位 リチャード・ヘル&ザ・ヴォイドイズ『ブランク・ジェネレーション』(1977年)


テレビジョンの結成メンバーの1人リチャード・ヘルは、自身が「つぎはぎだらけのボロ切れルック」と形容したパンクファッションとヘアスタイルの考案者だと言っていい。ソロデビュー作『ブランク・ジェネレーション』において、彼が迎え入れたロバート・クインによるヴェルヴェット・アンダーグラウンド譲りの尖ったギターサウンドは、「ビトレイアル・テイクス・トゥー」や「ラヴ・カムズ・イン・スパーツ」といったアンチ・ラヴソングに見事にフィットしている。タイトル曲は無から切り離された自由を讃える、ヘルによる究極のパンクアンセムだ。






20位 エックス・レイ・スペックス『Germ Free Adolescents』(1978年)


ロンドンで生まれ育った10代の混血少女ポリー・スタイリンは、歯に矯正器具を付け、Day-Gloのボロ切れを身にまとい、サックスが炸裂するアンセム「Oh Bondage Up Yours!」において「アタシは変人、それがどうした! ひしひし感じる周囲の視線が快感!」と叫んでみせる。エックス・レイ・スペックスの『Germfree Adolescents』は不幸にもアメリカでリリースされることはなかったが、口コミによってカルトクラシックとして認識されるようになり、スリーター・キニーやビースティ・ボーイズを含む無数のアーティストたちに影響を与えた。




Translated by Masaaki Yoshida

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