ローリングストーン誌と8人の識者が選ぶ2019年上半期ベスト

3.柳樂光隆


Photo by Hana Yamamoto

1979年、島根・出雲生まれ。音楽評論家。元レコード屋店長。21世紀以降のジャズをまとめた世界初のジャズ本『Jazz The New Chapter』シリーズ監修者。共著に鼎談集『100年のジャズを聴く』など。《新しい音楽の学校》《音筆の会》を共催。
※Rolling Stone Japanでの執筆記事一覧

◎ベスト・アルバム

●クリスチャン・スコット『Ancestral Recall』
●ブラッド・メルドー『Finding Gabriel』
●ケンドリック・スコット・オラクル『A Wall becomes a Bridge』
●ダン・テファー『Natural Machine』
●エティエンヌ・チャールズ『Carnival The Sound of a People vol.1』
●エンジェル・バット・ダヴィド『The Oracle』
●クリス・ポッター『Circuits』
●ジュリアン・ラージ『Love Hurts』
●アレニ・アグバビアン『Bloom』
●ゴッドウィン・ルイス『Global』



◎ベスト・ソング

●ダニエル・シーザー「RESTORE THE FEELING feat. Sean Leon & Jacob Collier」
●ゴールドリンク「U Say feat. Tyler ,The Creater & Jay Prince」
●フィリップ・ベイリー「Billy Jack」
●タンク・アンド・ザ・バンガス「Smoke.Netflix.Chill.」
●ジャミーラ・ウッズ「BASQUIAT feat. SABA」





◎コメント

ジャズ評論家なのでジャズ関連だけでベスト10を選んでみた。ジャズは、演奏と作曲のレベルが向上し続けているのと、それに加え自身の祖先/ルーツを辿ったり、歴史的な文脈/背景を取り込んでいたりと音楽が持つストーリーも豊かになるなど、レベルがどんどん高まって混沌としている。ブラッド・メルドーのようにゴスペル/聖歌を取り入れる流れや、ゴッドウィン・ルイスのようにリズムの起源をたどる過程でアフリカ~カリブのリズムの探求する流れもあり、それらが現代の理論/技術と合体して、新たなサウンドを生んでいる例も多数。一方でダン・テプファーのようなテクノロジーを駆使した作品も完成度が高まっている。ただ現時点でのベストはぶっちぎりでクリスチャン・スコットだろう。

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