Borisが追求するヘヴィさとは? エクストリームなポップサイド描く新作を語る

『tears e.p』をリリースしたBoris

この作品を聴いて驚く人もいるかもしれない。Borisが6月26日にリリースしたシングル『tears e.p』は、彼らのエクストリームポップサイドが現れた非常にポップな作品なのだ。COALTAR OF THE DEEPERSのNARASAKI率いるSADESPERRECORDによる完全プロデュース音源「どうしてもあなたをゆるせない」、成田忍プロデュースでBorisがカバーしたCOALTAR OF THEDEEPERSの隠された名曲「To the Beach」、Wataのキュートなボーカルが彩るD-DAYのカバー曲「Peaches」に込められた意図とは? Vocal & DrumsのAtsuoに話を訊いた。

─Borisが2011年にリリースした『New Album』は、成田忍さんプロデュースのエクストリームポップな作品でした。そういう意味で、本作『tears e.p』と符合する点も多いのかなと思うんですけど、それは時代性なのか、Borisの活動周期なのか、どういったところでの共通項があるんでしょう?

Atsuo:自分たちの中には、実験的な部分と、ロックな部分、すごくポップな部分といろいろな側面があって。その中でも、ポップサイドというのはタイミングを逃すと全然リリース出来なかったりするんです。ポップな楽曲制作もすごく好きなんですけど、アルバムの内容にフィットしないとか、出し所がなかなか難しい。今回は、TRASH-UP!! からリリースするということになったので、レーベル・カラー的にもエクストリームなポップサイドを出したいという話をさせていただきました。実際、今作には『New Album』の直後に出来た曲もあります。リリース規模にもよりますが、発表のタイミングはなかなかバンドだけで決められないので、今回はいい機会でした。

─『New Album』リリースの際のインタビューで、普段ノイズを聴いている人からしたら、そのポップさがノイズに聴こえるということをおっしゃっていましたよね。

Atsuo:あの時はそういうコンセプト、問題提起、批評になりえる作品へとフォーカスしていきましたね。ボカロやアニソンの手法が熟成されてピークに向かって行く時代だったじゃないですか? ポストプロダクションのノウハウの蓄積、非常に記号的でコピー・アンド・ペーストで作られていくような音楽が増える中で、何がノイズなのか? という自分達なりの答えでした。今回のEPは、そういうコンセプト云々というより、活動の中で出会った人たちとの繋がりを軸にパッケージした感じです。成田さん、美子さん(川喜多美子)、NARASAKIさん、PEACE MUSICの中村さん、そしてTRASH-UP!!

─なぜ今、それらのピースがガチッとハマったんでしょう。

Atsuo:今、TRASH-UP!!はアイドルにフォーカスしていて、成田さんは風男塾を手がけていらしたり。D-DAYは当時インディー界のアイドルとして扱われていたり、NARASAKIさんも、ももクロ、BABYMETALを始め様々な仕事をされていて。そういった方々との接点や引力に導かれている感じでしたね。いろいろな断片に導かれ、生まれた作品だと思います。

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE