UFO研究に没頭するトム・デロング、最新の成果とblink-182について語る

現在はエンジェルズ・アンド・エアウェーブズで活動するトム・デロング(写真中央)(Photo by Caleb Mallery)

UFOについて学ぶためにblink-182を脱退してから、トム・デロングは不思議な冒険に繰り出している。

20年前の1999年、blink-182は『エニマ・オブ・アメリカ』をリリースした。全世界で1500万枚を売り上げた同作は、ローリングストーン誌が過去に発表した「最も偉大なパンク・アルバム TOP40」から引用すれば、“グリーン・デイ『ドゥーキー』の再来であり、やめられないジョークのよう”な作品であった。同バンドのヴォーカル/ギターのトム・デロングは、そこから20年の間、独自のキャリアを歩んでいる。

2015年にデロングはblink-182を脱退し、それ以前から活動しているスペース・ロック・バンド、エンジェルズ・アンド・エアウェーブズに本腰を入れ始めた。宇宙研究にも取り組んでいた彼は2015年、UFOについての研究組織である「トゥ・ザ・スターズ・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・サイエンス」を設立。同社は2017年のある出来事で、世の中の信頼を得ることができた。

2017年、ニューヨーク・タイムズ紙は、米国国防省が先端航空宇宙脅威特定計画に2200万円以上の予算を投じたと報道。この計画を率いていたのは元軍の関係者であり官僚のルイス・エリゾンド氏であるが、彼は今、プログラムを継続する場としてトゥ・ザ・スターズ・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・サイエンスを選んだのだ。

そして2019年、UFOに関する新しいトピックがニューヨーク・タイムズ紙に掲載された。2014年から2015年にかけて、未確認飛行物体が米東海岸沖で毎日発見されていた、という内容である。UFOとされる映像も公開された。「そういう現象は、毎日目撃していた」と、10年間海軍に在籍しているパイロット、ライアン・グレイヴス中尉が証言。さらに彼は、「飛行物体を空中に飛ばしておくには、それに見合った量の燃料が必要だ。私たちが目撃したスピードで飛ぶには、1時間が限界だろう」と推測する。デロングはこの記事について「これは僕たちの功績だよ」と呟いた。彼はトゥ・ザ・スターズ・アカデミーで終えた仕事が、当該記事の内容にリンクしていると指摘する。

デロングはヒストリー・チャンネルの新番組『アンアイデンティファイド:インサイド・アメリカズ・UFO・インヴェスティゲーション』にてエグゼクティヴ・プロデューサーを務めている。彼はエリゾンド氏やグレイヴス中尉、クリントン元大統領の大統領首席補佐官を務めたジョン・ポデスタ氏らと共に番組に出演。今回のインタビューでは、そんな多岐にわたる活動について聞いてみた。

-先日のニューヨーク・タイムズ紙の記事については、いかがですか。

トム:あの記事は、僕たちが議会に連れて行った現役の軍パイロットたちと議員とのやり取りがベースになってる。数週間前、ニューヨーク・タイムズ紙に、海軍に対して議会がUFOの正式な報告書をまとめているって記事も出てたんだけど、それも僕たちの功績だ。UFOを目撃したパイロットを議会に何度か連れて行ったことが、監査委員会や予算委員会の法に対して影響を与えたというわけさ。その過程で情報がリークして、新聞に出てしまった。でも僕たちが番組『アンアイデンティファイド:インサイド・アメリカズ・UFO・インヴェスティゲーション』で伝えてることも、まさにあの記事で書いてある通りだよ。グレイヴス中尉は、東海岸沖でほぼ毎日、8カ月間に渡ってUFOの艦隊が、彼らの戦闘機についてきたと証言している。それって恐いよね。

-公開されたUFOとされる映像について、説明してもらえますか?

トム:あれはガンカメラで撮影された映像だ。人々にあまり理解してもらえないんだけど、本当に遠くから撮られている。でも謎の物体にズームして、それを映し出した。映像では数インチしか飛んでいないように見えるけど、縮尺を考えると1時間で0から20000マイル飛んで行ったようなものなんだよ。小さい塊に見えるかもれないけど、実は大ごとだ。もし君がパイロットだったり、レーダー監視者や、軍事監視員だったりしたら、きっとその怖さがわかるだろうね。だって、普通じゃそんなことは起きないから。赤外線カメラには羽も、煙も映らなかった。でも飛行物体の形はわかるんだよ。扇風機や、ディスクのような形をしていて、境界線はぼんやりとしていた。可観測性もあった。上昇能力もあり、これまで政府が定義づけてきた真実とは全然違うものだった。それらのうちどれか一つが——彼らはその観測量を5つに分類するけど、国がもしその5つのうち1つでも手に入れようとしたなら、それはパラダイムシフトになるだろうね。世の中がガラッと変わる、センセーショナルな事態になる。議会や上院に見せたものは、アメリカ中の人々に真実を広めたいという意図がある。「これは事実で、恐怖であり、自分たちで何とかできるように対策を練ろう」とね。



Translated by Leyna Shibuya

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