デッド&カンパニー結成のきっかけ、ジョン・メイヤーとボブ・ウィアーの初共演を回想

次の偶然は、CBSからデイヴィッド・レターマンの午後11:35の放送枠をもらえなかったことでクレイグ・ファーガソンが2014年12月に『ザ・レイト・レイト・ショー』の司会を降板したのがきっかけで起こった。翌3月にジェームズ・コーデンがその座を引き継いだが、しばらくの間はゲスト司会者が代わる代わる番組を進行していた。主にドリュー・キャリーやウェイン・ブラディ、ジム・ガフィガン、トーマス・レノンなどのコメディアンがその役を務めていたが2015年2月初旬の3日間はジョン・メイヤーが担当した。

彼の2日目のゲストにはボブ・サゲット、メアリー・リン、そして、ボブ・ウィアーがいた。メイヤーは自分にとって最も新しいヒーローと共演するチャンスを見逃さず、ギターを手に取り、ウィアーとドラマーのジム・ケルトナーとベーシストのショーン・ハーレーと共に「トラッキン」と「アルシア」を演奏した。

ウィアーはトレイ・アナスタシオを迎えたザ・デッドのフェアウェル・コンサート「フェア・ジー・ウェル」のプロモーションのために番組に出演していたのだが、メイヤーとの間に生まれた化学反応は一目瞭然で、ザ・デッドの「フェア・ジー・ウェル」後のラインナップのアイデアは固まり始めた。公式に発表されたわけではなかったが、その『ザ・レイト・レイト・ショー』でのパフォーマンスから数週間以内にジョン・メイヤーが年内にウィアーとザ・デッドのドラマー、ミッキー・ハートとビル・クレアッツマンと共にツアーを回るという予定が決定した。(フィル・レッシュはこの時点でもう十分なツアー生活を送ってきたとして引退を希望しており、すなわち、それは「フェア・ジー・ウェル」でのラインナップがオリジナル・メンバーの4人全員で一緒に演奏した最後の機会となってしまうということを意味していた。)

多くの長年のザ・グレイトフル・デッドのファンは「ユア・ボディ・イズ・ワンダーランド」で有名な彼にこの役割が務まるのかとやや懐疑的であったが、彼は全力を注いで曲を覚え、2015年10月にデッド&カンパニーのアリーナ・ツアーが始まるとほぼすべてのオーディエンスを圧倒した。翌年の夏にはスタジアムでもライブをするようになり、ライブごとに100万ドル前後稼ぎ出し、新しい世代にザ・グレイトフル・デッドを体験させた。それから4年が経った今も、ザ・グレイトフル・デッドの人気絶頂期に引けを取らないほどチケットは売れている。すべてはジョン・メイヤーが聞いていたPandoraのストリーミングでたまたま曲が流れ、CBSがクレイグ・ファーガソンにデイヴィッド・レターマンの放送枠を与えなかったおかげで始まったのである。



Translated by Takayuki Matsumoto

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