フジロック現地レポ ELLEGARDENの「物語」は終わらない

流行りを超越した「普遍性」

ライブも終盤に差しかかり、細美の最後のMCが入る。
「すげー楽しかったです。ありがとうございました。10年前、いろんな理由があって活動を休止したバンドが、こうして10年経って集まって仲良くやるなんて茶番だなと思ってたんだけどーー今めっちゃ仲良いんだよね。でも茶番じゃねぇんだな。10年経てば変わる。俺も自分で分かるくらいに変わった。だから、ありえないんじゃないかなって思ってたことがこれからも起きるから。またどこかで会いましょう」

そして「俺たちのバンドって日本で一番シンガロングが大きいバンドだっていう記憶があるんだよね」と付け加えて披露されたのが「Make A Wish」。「行こうぜ!」の掛け声とともに怒涛のシンガロングと荒ぶる展開で突っ走っていく。そして最後を締めくくったのは「スターフィッシュ」。ギターの切れ味と厚み。そして繊細なメロディと<こんな星の夜は/君がいてくれたなら/何を話そうか>という歌詞で淡い情景を生み出す。



細美はMCで繰り返し「行こうぜ!」と言っていた。4人が奏でるロックに「新しい夢」を託し、愛と希望と勇気を持って日々生きていく。その先にあるものを一緒に見ようじゃないか……と呼びかけているようだ。そう、これは彼らの「物語」であり、我々の「物語」でもあるのだ。

アンセミックな曲の数々、エネルギッシュでエモーショナルなサウンド。海外のオルタナティヴ・ロック、ポップ・パンク、パワーポップから影響を受けてきたELLEGARDENというバンドの等身大の魅力は、いつどんな場所でも色褪せないし、流行りを超越した「普遍性」を強く感じさせるものだと、あらためて実感したステージだった。



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