フジロック現地レポ ケミカル・ブラザーズの「王道」が正しいことを示した夜

スクリーンに映し出された「HOLD TIGHT FUJI ROCK」の文字

トムとエドのハイタッチを境にして、ライブは終盤へ。感傷的なメロウネスを置き去りにするかのように、サウンドは獰猛に、ビートは太く攻撃的になっていき、完全に覚醒したダンス・モードを見せつける。ラストは「Galvanize」から「Block Rockin’ Beats」へと繋ぎ、ケミカル・ブラザーズの出自であるブレイクビーツへの愛で1時間半を締めくくった。


Photo by Kazushi Toyota

全ての演奏が終わり、長い時間をかけてオーディエンスに手を振り続ける二人の背後には、スクリーンいっぱいに大きく「HOLD TIGHT FUJI ROCK」の文字が映し出された。懐メロ集になることなく、最新楽曲を中心に据えたセットで8年間の進化を果敢に見せつけたケミカル・ブラザーズ。その進化にしっかりと応えたオーディエンス。ここにしかない特別なステージを用意して「王の帰還」を待っていたフジロック。8年の時を経ても固く結ばれたままの特別な絆を再確認するような、とても感動的なステージだった。



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