ストーンズ、29年ぶりにライブで「Harlem Shuffle」を披露「寛大な心で聴いてくれ」

米ニュージャージー州のメットライフ・スタジアムで行われたザ・ローリング・ストーンズのライブ

「もう長いこと演奏してないんだ」とボブ&アールの1963年の名曲のカバーを披露する前に、ミック・ジャガーは米ニュージャージー州のオーディエンスに告げた。「だから寛大な心で聴いてくれ。

米現地時間8月5日、米ニュージャージー州のメットライフ・スタジアムで行われたザ・ローリング・ストーンズのライブが4曲目を迎えたところで、ミック・ジャガーはオーディエンスに「このなかに今夜、ここに来るために川を2本わたってきた人はいるか?」と問いかけた。「クイーンズから来た人は? マンハッタンは? ウエストチェスター、スタテンアイランド、ブロンクス、ハートフォードはどうだ? ニュージャージー出身の人は? これから演奏するのは漠然とだが、このエリアにインスパイアされた曲なんだ。タイトルは『Harlem Shuffle』だ。」

ストーンズは、ボブ&アールの「Harlem Shuffle」のカバーを1986年のアルバム『ダーティ・ワーク』の先行シングルとしてリリースしている。MTVで繰り返し放送されたアニメーションによるミュージック・ビデオの影響もあり、同楽曲は米ビルボードのHOT 100チャートで5位にランクインした。それにもかかわらず、ストーンズは1990年8月25日のロンドンのウェンブリー・スタジアム公演以来、ライブで披露していなかった。「もう長いこと演奏してないんだ」とメットライフ・スタジアムに集ったオーディエンスにジャガーは告げた。「だから寛大な心で聴いてくれ」。

8月5日のライブは、ストーンズの2019年『ノー・フィルター』ツアーの11公演目だった。ストーンズは8月1日の木曜日の夜にもメットライフ・スタジアムでライブを行っているが、5日のライブでは「You Got Me Rocking」、「Monkey Man」、「Let It Bleed」、「You Got the Silver」をはじめとする、前回演奏しなかった5曲を披露した(意図的かどうかはさておき、バンドは全9曲の『Let It Bleed』から6曲を演奏した)。今回のツアーの全公演において、オンラインのファン投票で選ばれた1曲がフィーチャーされている。そのため、この数週間にわたり「She’s a Rainbow」、「Rocks Off」、「Under My Thumb」、「Bitch」のような比較的レアな楽曲も披露している。さらに、ストーンズは1969年以来初めてドン・コヴェイの「Mercy Mercy」を、2002年以来初めて「Mercy, Mercy」を演奏した。

心臓手術を受けたミック・ジャガーの回復を待って1カ月ほど延期された今回のツアーは、8月10日にコロラド州デンバーのブロンコス・スタジアム・アット・マイル・ハイで再開し、8月31日のフロリダ州マイアミのハードロック・スタジアムで終幕を迎える。ストーンズは、この2年にわたってゆっくりと2005年の『ア・ビガー・バン』以来となる新作オリジナルアルバムのための曲作りに取り掛かっているようだが、ツアー後の動向は明らかになっていない。

Translated by Shoko Natori

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE